3月に開催されたジュネーブモーターショーで価格約20億円というブガッティが発表されて話題になったが、この驚くような高額なスーパーカー登場の流れは今後も続くことになりそうだ。
3月25日、今度はアストンマーティンが税抜き600万ポンド(約8億円超)のスペシャルモデルを生産し、そのデザインを発表。しかもそれが“ペア販売”という売り方であることも驚きだ。
※本稿は2019年4月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年月26日号
■名車「DB4 GT ザガート」をイメージした新しい時代のザガートデザイン
今回アストンマーティンが公開したのは、19台のみの生産が予定される限定車「DBS GT ザガート」のデザイン画。この「DBS GT ザガート」と「DB4 GTザガートコンティニュエーション」の2台が「DBZ センテナリー コレクション」としてペアで販売されるというのだという。
●DBS GT ザガート
1913年の創業以来、イギリスを代表する高級スポーツカーメーカーであるアストンマーティンは、イタリアの名門カロッツェリア(「馬車や自動車の車体をデザイン・製造する業者」の意)であるザガートと60年近くにわたってパートナーシップを組んで数多くの名車を生み出してきたことでも知られている。
ザガートとのコラボモデルとしては、「史上最も美しいクルマの一台」といわれる、1960年に誕生した「DB4 GTザガート」をはじめ、1986年に「V8ヴァンテージザガート」、フォード傘下時代の2003年に「DB7ザガート」などが登場。
最近では2016年に99台限定で「ヴァンキッシュザガートクーペ」が発売されている。
■ザガート創立100周年のコラボプロジェクト
その老舗カロッツェリア、ザガートが今年、創立100周年を迎えるにあたって、アストンマーティンは過去の代表モデルに敬意を表して未来のクラシックモデルを製作する「DBZセンテナリーコレクション」というプロジェクトを発足。
そのザガートとのコラボの最新作が「DBS GTザガート」なのだという。
「DBS GTザガート」は、最新アストンマーティンのフラッグシップモデルである5.2L V12エンジンを搭載するDBSスーパーレッジェーラをベースに、過去の代表作であるDB4 GTザガートの官能的フォルムにインスピレーションを得たデザインを採用したモデル。
そのスタイルの特徴はこれまでのザガートとのコラボモデルに用いられてきた「ダブルバブルルーフ」で、DBS GTザガートではこの2つの膨らみがボンネットからテールまで続いたデザインになり、しかもこの造形を実現するために通常のリアウィンドウを装備しないというから注目だ。
「DBS GTザガート」とペアになる「DB4 GTザガートコンティニュエーション」は、オリジナルモデルである1960年代の「DB4 GTザガート」を忠実に再現し、最高出力380hpの直6エンジンを搭載したサーキット専用モデルになるという。
●DB4 GT ザガート コンティニュエーション
2台セットでの購入が前提となるこの「DBZセンテナリーコレクション」のデリバリー時期は、「DB4 GTザガートコンティニュエーション」が年内、「DBS GTザガート」が2020年内に開始予定。
合わせて約8億円超という価格は、庶民には驚くほど高額だが、その希少価値にお金を出しても惜しくない19人が世界にはいるのだろう。
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