ヒッチハイクは合法？違法？意外と知られていない事情

「お礼に金銭を渡す」として、それをドライバーが了承すれば違法行為となる可能性が

　しかしながら、冒頭で触れたように、日本ではヒッチハイクを禁止する法律はなく、ドライバーにタダで乗せてもらうぶんには、法に触れることはありません。

　「タダで乗せてもらうぶんには」というところがポイントで、乗せてもらうほうが「乗せてくれたお礼に〇〇円お渡しします」といって、ドライバーがそれを了承してしまうと、「一般旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない」とする道路運送法第4条に違反することとなる（許可を受けた車両は緑ナンバーであるのに対し、一般の白ナンバーでのタクシー業、いわゆる「白タク」とされる）可能性があり、検挙されれば、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、もしくはそれらが併科されることになります。ドライバーが二種免許をもっていなければ、「無免許運転」とされる可能性も。

　このとき、罰せられるのはドライバーであり、ヒッチハイクをした人（もしくはしようとした人）は、お咎めなし。違反行為だと知っていてもいなくても、「乗せて」とお願いした本人には、ペナルティはありません。上記の違反となるのはクルマでの移動の対価として金銭の授受を行うことをお互いが合意する営業行為として行った場合であり、普通の人が少しぐらいの金銭をもらった程度ですぐに違反、ということにはならないかもしれませんが、検挙されてしまうのが乗せてくれたドライバーであることを考えれば、やはり金銭でのお礼はしないほうがよいと思われます。

ヒッチハイクをする場所にも気を付けて

　また、ヒッチハイクをする場所（目的地を書いた紙をもって立っている場所）にも、注意が必要。高速道路の本線上はもちろんのこと、料金所付近も高速道路であり、クルマ以外の方法で立ち入れば、高速自動車国道法17条に違反します。一般道であっても、駐停車が禁止されている場所では、止まってしまうと道路交通法によって違反となるため、避けなければなりません。

　高速道路のサービスエリアやパーキングエリアにおいては、禁止はされていないようですが、迷惑行為とみなされれば、排除される可能性もあるようですので、ヒッチハイクをするのであれば、モラルとマナーはしっかり守って行うようにしてください。

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　「お礼をすると違反になるから」といって、何もお礼をしないのではなく、地元から名産品を持参しておいたり、ドリンク一本でもいいので、なんらかの感謝を伝えることは必要だと思います。お金をかけられないのであれば、歌や物まね、面白い話などで、ドライバーさんの疲れをいやす方法でもいいかもしれません。ちなみに筆者は、そのヒッチハイクで乗せた男性に、お礼はもらわず、逆に牛丼を奢りました。

　その男性は「自分はまだ（ヒッチハイクで）怖い思いをしていない」といっていましたが、日本は治安がいいとはいえ、見ず知らずの人のクルマに乗せてもらうわけですから、ヒッチハイクにチャレンジするならばトラブルには十分に注意しつつ、マナーもしっかり守ったうえで、また、ドライバーさんへの感謝を忘れずに（筆者も牛丼奢りましたが、感謝はされました）、行うようにしたいものです。