日産の海外向け高級ブランド「インフィニティ」は、2023年10月24日、同ブランド初となるBEV(100%電気自動車)のコンセプトモデル「Vision Qe」を発表した。次世代ブランドの新しいデザイン言語が採用されたVision Qeは、そのスタイリングから次期スカイラインなのでは!?? とも推察できる。「Vision Qe」の詳細をご紹介しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:INFINITI
インフィニティの新しいデザイン言語を示した
流麗で低くワイドなフォルムに、「デジタルピアノキーライト」という発光グラフィックを採用し、立体的なマシンドフィニッシュのホイールを組み合わせているのが特徴の「Vision Qe」。
インフィニティのアイデンティティでもあるダブルアーチグリルを軸としながら、地平線に向かって大地を力強く疾走するような印象を、ゴールドに輝くLEDのライティングエフェクトで大胆かつ印象的に表現しているその姿は、地平線に続く無限の道からインスパイアされたというブランドロゴ(2023年6月にデザインを更新)のイメージを車両全体で表現しているようにも感じられ、インフィニティの新しいデザイン言語を示すものであることがよくわかる。
そんなVision Qeのデザインは、非日常や独特の個性を表す「傾(かぶ)く」と、スピード感とダイナミズムを表現した「翔」、洗練とピュアさを精緻なディテールで表した「粋」という、3つの日本の哲学に触発されているそう。
インフィニティは、北米市場をターゲットとするブランドだ。日本への導入も検討されてきたものの、市場規模や資本面などを理由に、ここまで見送られてきており、今回の発表においても、新しいインフィニティのモデルが日本市場に導入されるという言及はない。
おそらくインフィニティは今後、「日本発信のブランドです」ということをブランドの強みとし、和テイストをとりいれることで新たなブランドイメージを構築したい、という狙いをもっているのだろう。この戦略は、レクサスやマツダが海外向けに取っているジャパンブランド戦略に通じるものがあるが、インフィニティがどういった差別化をしていくのかは大きな関心事だ。
コメント
コメントの使い方近年、欧州や中華メーカーが逆に日本風を取り入れることで評価獲ったりが続いてましたから
こうして日本メーカーが正面から和風を取り入れてデザインしてくれないかなと待望していました。
ぜひこれをブラッシュアップして市販にまで繋げて欲しい