■走行中給電でのデメリットと課題とは
デメリットとしてはまず、路面にたくさんのコイルを敷き詰めるコスト、それに路面の損傷による補修コストがあり、これは当然大きな問題だ。
以前は1km設置するのに1億円と言われていた(道路の建設コストも含まれていたのだろうが)が、最近ではアスファルト舗装の補修とあまり変わらないコストでできると言う施工業者の声もある。
実際にはそこまでのコスト圧縮は無理でも、かなり設置におけるコストは低減されているようだ。
また送電コイル上に電導性の高い異物などが落ちていると、発熱や発火などの原因になるので、受電する車両以外の電導物を検知して、その部分の送電コイルは送電をカットするなどの緻密な制御が必要となるだろう。
異物が見つかる度に、管理者が現地へ行って回収するようでは、走行中ワイヤレス給電のメリットを発揮することが難しい。
それに普及し始めたら、1つの車線で電力の供給を受ける車両は1台ではないから、複数台のEVに走行中に給電するとなると、相当な電力を消費することになる。
付近の電力網が不安定にならないためには送電網など電力面での強化も必要だ。
走行中給電には非接触そのほか、架線による給電で高速道路を走行させる方法もあるが、これはトラックやバスなど全高が高い車両でしか実現できないので、限定的な方法だ。
走行中ワイヤレス給電は、実用化までかなりの時間を要する技術だが、開発を続けなければ実現は近づかない。これからも実験を繰り返し、いつの日か街で普通に使える日が来ることだろう。
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