■サファリの後継が今も世界で生きている!
サファリのお話はこれで終わりではない。前項の説明でも分かる通り、サファリは日本でこそ失速したものの、海外ではパトロールという「昔の名前」で人気を維持していたためだ。
サファリなきあとのパトロールだが、まずY61型(最後のサファリ)が2010年にY62型へバトンタッチした。
このクルマは海外専用モデルで、特に中東富裕層が使う高速ツアラーとしてのテイストが強かった。全長5.1m、ホイール3mという巨艦である。2018年には中東専用モデルとしてNISMO仕様まで登場している。
このY62型パトロールは、マイナーチェンジを繰り返して現代でもオーストラリアや中東で市販されているのだが、北米だけは事情が異なる。
北米にはもともと、パトロールより一回り小さなパスファインダー(日本名テラノ)の上位グレードとして、パスファインダーアルマーダというモデルが存在した。
このクルマが2005年にパスファインダーを捨ててアルマーダと名乗るのだが、2016年にフルモデルチェンジを行い、Y61型パトロールをそっくり新型アルマーダとして発売したのだ。
さらに日産のプレミアムブランドであるインフィニティにもパトロールの兄弟車が作られた。旧称QX56、現在ではQX80と呼ばれるフルサイズSUVがそれである。このクルマは2019年、インパルの手で日本発売もされたから、ご記憶の読者もおられよう。
こうしてみてくると日産サファリは、パトロールというロングセラーモデルの一時の姿ということもできる。車名はどうであれ、サファリが培った4WD技術などは、電動化が進む自動車の将来にもぜひとも生かしてほしいものだ。
【画像ギャラリー】ランクルにも負けない歴史を持つサファリ/パトロールのお姿がこちら!(18枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方トヨタの多種性に負けたのかな?
トヨタはブームの頃でもランクル80、70、プラドとランクル名が付く車種を用途や購買者別に3台出していた。
現在でもアル、ヴェルやノア、ボクなど購買者層別に車種がある。
オフロード性能的には足回りの靭やかさからサファリの方が上だと思うのだが、サファリの方が壊れやすいイメージがある。
アフターパーツや部品供給の面でもトヨタが上だと思います。