無人タクシーの営業開始により、自動運転ビジネスで一歩先んじた感のあるアメリカだが、GM傘下のクルーズ社の無人タクシーが他車両にはねられた人を識別できず轢いてしまうという事故が起きた。日本の自動運転ビジネスにも大きな影響は必至か!?
※本稿は2023年12月のものです
文/角田伸幸、画像/HONDA、ベストカー編集部、Adobe Stock
初出:『ベストカー』2024年1月10日号
■日本の自動運転にも影響か? オリジン計画が棚上げに!
米ウーバーの配車アプリで、ウェイモの無人タクシーが呼べるようになったことは以前も報じたが、アメリカの自動運転ビジネスで大きな事件が起きてしまった。
事件の主はウェイモ最大のライバルであるGM傘下のクルーズ。きっかけは2023年10月初旬、同社の無人タクシーが、他車両にはねられた人を識別できずに轢いてしまう事故を起こし、これを問題視したカリフォルニア州が同社の自動運転の免許を取り消したことだ。
その結果、クルーズは全米での無人タクシーサービスを一時的に停止することになったのだが、事態はそれで収まらなかった。クルーズの創業者であり、10月には来日してホンダ三部社長と会見を行ったカイル・ヴォクト氏が辞任してしまったのだ。
さらに11月末、クルーズは計画を大幅に縮小して自動運転サービスを再開すると発表したのだが、ジャパンモビリティショーにも展示された運転席のない自動運転車両「オリジン」については、開発を棚上げすると明かし、同社の将来に赤信号が灯る展開となってしまった。
ご承知のとおりオリジンは、ホンダが上屋部分を共同開発した無人タクシー専用車両。2026年にはこれを使って、東京でも無人タクシーサービスを始めると発表したばかりだけに、ホンダ、そして日本への影響も甚大だ。
本件はまだ動きがありそう。今後の展開に注目したい。
【画像ギャラリー】無念の計画棚上げ!! 2026年には東京を走る予定で開発が進められていたクルーズ オリジン(12枚)画像ギャラリー
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