■初代と2代目は確かにカッコよかった! 3代目は……… トヨタ 3代目ウィンダム(2001-2006年)
●「純北米風デザイン」は日本人の嗜好に合わない
北米レクサスのイメージを巧みに取り入れた宣伝戦略と流麗なスタイリングにより、初代と2代目はスマッシュヒット。
しかし純北米風デザインに変更された3代目は、時代の変化も相まって失速。その結果として3代限りで消えていった、FFレイアウトの中型プレミアムセダン。それがトヨタ ウィンダムです。
初代ウィンダムはイメージ戦略が巧みでした。テレビCMでは米国人実業家や国際線の機長など、「いかにも北米レクサスの顧客っぽい人々」を登場させ、そこに「レクサスES300=日本名ウィンダム」とのナレーションを被せることで、「これは日本のおやじセダンではなく、レクサスES300の日本版なんですよ」ということを訴求したのです。
これで初代ウィンダムは日本人にも鋭く刺さったのですが、2001年に登場した3代目は「ごく普通なセダン」に変更。
デザインも「アメリカのTVドラマで脇役の人が乗ってそうなクルマ」みたいなものに。そのため翌年、生産終了となりました。
・発売年月:2001年8月
・エンジン種類:V6DOHC
・総排気量:2994cc
・最高出力/最大トルク:215ps/30.5kgm
・全長×全幅×全高:4865×1810×1455mm
・車両重量:1520kg
・諸元記載グレード:2001年式 3.0X
●ざんねん度:★★★☆☆
■小型車なのに1.8L? ちぐはぐな2代目がイストの息の根を止めた トヨタ イスト(2002-2016年)
●初代は小型クロスオーバーの先駆けだったが
初代トヨタ イストは、トヨタが「新ジャンルの小型車」として開発したモデル。
初代ヴィッツと同じ車台にヴィッツよりひと回り大きな15インチタイヤと、SUV的に大きく張り出したホイールアーチ、ワイドで立体感のあるフロントグリル、サイドからリアに回り込むウィンドウグラフィックなどを組み合わせました。
「SUV」という単語がまだ市民権を得ていない時代に「小型クロスオーバーSUVの先駆け」となった初代イストは、ひとクラス上の内外装デザインと装備内容、そしてその割に価格は手頃ということでスマッシュヒットとなりました。
2007年7月に2代目へフルモデルチェンジされましたが、2代目は当初から北米の「サイオン」ブランドで展開することを想定していたため、全幅は1725mmの3ナンバーサイズとなり、エンジンも1.3Lを廃止する代わりに1.8Lという、日本のコンパクトカーとしては中途半端な排気量に。
結局、セールス状況が低迷したまま2016年4月に生産終了となりました。
・発売年月:2007年7月(2代目)
・エンジン種類:直4 DOHC
・総排気量:1797cc
・最高出力/最大トルク:132ps/17.5kgm
・全長×全幅×全高:3930×1725×1525mm
・車両重量:1170kg
・諸元記載グレード:2007年式 180G
●ざんねん度:★★★★☆
■走りは可もなく不可もなく……だがデザインがあまりにも意味不明だった トヨタ ヴォルツ(2002-2004年)
●SUVとワゴンとミニバンの融合を目指したが
トヨタ ヴォルツは、2002年8月に発売となったトヨタとGMの共同開発車。
当時のカローラをベースとする、SUV/ステーションワゴン/ミニバンの長所を取り入れた「新ジャンル」であると説明されました。
ターゲットは「アクティブなライフスタイルを志向する若者」だったようです。
しかし走りは可もなく不可もなくで、デザインもやや意味不明だったため日本の若者には刺さらず、発売からわずか1年8カ月ほどであっけなく販売終了となりました。
・発売年月:2002年8月
・エンジン種類:直4 DOHC
・総排気量:1795cc
・最高出力/最大トルク:190ps/18.4kgm
・全長×全幅×全高:4365×1775×1605mm
・車両重量:1270kg
・諸元記載グレード:2002年式 Z 6MT
●ざんねん度:★★★★★
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