中国発のスマートフォンメーカーとして知られている「Xiaomi(シャオミー)」。そのシャオミーが2023年12月末、ラージスポーツセダンのBEVを2024年上半期に発売する、と発表した(具体的な発売日や価格は未公開)。近年は、異業種からのクルマ業界への参入はそれほど珍しいことではないが、どんなクルマになっているのかは気になるところ。「Xiaomi SU7」の詳細をご紹介しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:Xiaomi
近年は総合家電メーカーへの転換に尽力
Xiaomi(以降シャオミー)は、スマートフォンメーカーとして知られる、2010年に創業した中国の企業だ。他社が新機種を数ヶ月単位でリリースし、バージョンアップを頻繁に繰りかえす販売戦略をとるなか、シャオミーは、1年に1機種のみ高性能モデルを開発し、それをネット販売で行うことで余分な開発費やコストを下げ、高性能なスマホを低価格で販売することに成功。中国の若者を中心に人気を集めている。日本でも大手キャリアが取り扱っており、徐々に認知され始めたメーカーだといえる。
ただシャオミーは近年、家電も含めた総合電機メーカーに転換することに尽力している。他の中国スマホメーカーとの競争が激化したこともあり、スマホのみでシェアを広げるのは難しくなったという判断だろう。スマホとの連携機能を持つ白物家電や電動バイクなども手がけ、スマホメーカーの強みを生かして分野を広げている状況だ。
ゆとりを感じさせる大人のスポーツセダン、といった雰囲気
そのシャオミーがこのたび発表したバッテリーEV「SU7」は、ボディサイズが全長4,997mm×全幅1,963mm×全高1,455mm、ホイールベースは3,000mmの4ドアセダンだ。サイズ感としては、ポルシェパナメーラあたりに近い(そういえば、雰囲気もなんとなくパナメーラやタイカンに似てるような気がする)。
フォルム全体は、なめらかでゆったりとした曲線で構成されており、直線的なディテールが最低限に抑えられていることで、ゆとりを感じさせる大人のスポーツセダンという雰囲気がある。強い個性を放っているわけではないものの、全体的なバランスは取れているのではないだろうか。
インテリアは、中央に16.1インチのタッチスクリーン、ステアリングの奥に7.1インチの液晶メーターパネル、ナビ表示はヘッドアップディスプレイで確認できるほか、後席用にも、2台のディスプレイが用意されている。その他のスイッチ類は少なく、水平基調のダッシュボード構成も含めて、インテリアの雰囲気はテスラに近い。
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