ほんの少しの速度超過や一時停止違反、駐車違反などは、大したことない違反と甘く考えてしまいがち。しかし、軽微と思っていた交通違反で逮捕されたり前科がついてしまう場合があることも……。
文/井澤利昭、写真/写真AC
■たかがスピード違反で……と軽く考えるなかれ。前科がつく違反とは?
ちょっとした不注意や気の緩みから交通違反を犯してしまい、取り締まりを受けたことがある人は多いはずだ。
交通違反の多くは、反則金を支払って違反点数が加算されることで解決ということになる。しかし、違反の内容によっては裁判となり、前科がついてしまう場合もある。
では、前科がつく違反とは具体定期にどういったものなのだろうか?
まず考えられるのが、比較的重いとされる違反点数6点以上の違反を犯した場合だ。
一般道なら30km/h、高速道であれば40km/hオーバーのスピード違反や、酒気帯びや酒酔い運転、無車検や無保険でのクルマの運行など、いわゆる「赤切符」に相当する違反がその対象で、いずれの違反も過去の違反点数にかかわらず、一発免停もしくは、違反の内容によっては免許取り消しとなる。
加えて、違反を認めている場合でも、裁判が行われる「刑事事件」として立件されることになるため、窃盗や詐欺などの犯罪と同様に前科がつくことになってしまうのだ。
裁判というとテレビドラマや映画の法廷シーンを思い浮かべる人もいるかもしれないが、犯した罪が交通違反のみで、さらに罪を認めている場合には法廷で審議が行われることはほぼなく、「略式裁判」や「即決裁判」といった、書類上の簡単な手続きのみで済まされることが多い。
科される刑事罰も懲役刑(刑事施設に拘禁して、刑務作業を行わせるという刑罰)となるケースは少なく、罰金刑となるのがほとんどだ。
■悪質な違反と判断された場合は即逮捕となることも!?
前述のとおり、前科こそついてしまうものの、交通違反のみの場合はよほど悪質な違反でないかぎりは略式裁判による罰金刑で済まされるケースがほとんど。
一方、無免許運転や飲酒した状態でのスピード違反など、複数の違反を同時に起こした場合や、警察官の制止を振り切って逃走するなど「悪質な違反」とみなされた場合、ひき逃げによる死亡人身事故などの重大な事故ではたとえ交通違反であっても身柄を拘束=逮捕されることがある。
ケースによって異なるが、逮捕となった場合、その後48時間以内は各都道府県の警察署内にある留置場で拘束される可能性があり、そこで取り調べや捜査が行われることになる。
そして警察による捜査と取り調べの後、今度は検察へと送致されて検察による捜査が24時間以内で行われた後、起訴または不起訴が決定される。
交通違反や事故での逮捕の場合、拘束期間が長期に渡ることはほぼないが、反省の色がなく、取り調べにも非協力的な場合には悪質と判断され、最長で20日間も拘留が続くこともある。
取り調べの結果、起訴されればその後に裁判となり、それによって有罪となれば罰金刑だけにとどまらず、きわめて悪質な場合は執行猶予がつかない実刑判決を受ける可能性もありうる。
当然、有罪判決を受ければ前科がつくことにもなる。
ちなみに、交通違反がない物損事故のみの場合や、仮に逮捕されたとしても不起訴になった場合、起訴後裁判で無罪が確定した場合は前科がつくことない。
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