新型への期待高まる!! マツダ6は開発陣の意地を感じるデキ! マツダを象徴する1台と呼ばれる理由は?

■クロスオーバーやスポーツモデルのバリエーションがあれば

マツダ6の2023年の年間販売台数はセダンが1404台、ワゴンが1027台と低迷していた
マツダ6の2023年の年間販売台数はセダンが1404台、ワゴンが1027台と低迷していた

 マツダ6は顧客のことをまったく考えない開発陣の妙な意地(悪い意味でのこだわり、と言い換えてもよい)により、世界規模で売れ行きが伸び悩んでしまった。

 すでにステーションワゴンのニーズはなく、スバルですらツーリングワゴンを引っ込めクロスオーバーのアウトバックに絞っている。

 当時、私は開発のトップにマツダ6のクロスオーバーを作ったら売れると進言したし、社内からも作りたいという声がたくさん出ていたようだ。しかし、開発のトップは「マツダらしくない!」と頑なだった。

 マツダ6をベースにアウトバックのようなクロスオーバーを作ったら、大成功したと思う。何より圧倒的にスタイリッシュ!

 私の読者がマツダ6のクロスオーバーをCGで作ってくれたけれど、これほど美しいクロスオーバーはないというレベル。トルクフルで燃費いいディーゼルエンジンをラインナップすることも強い武器になっただろう。

 セダンについて言えば中国を除き市場がシュリンクしており、厳しかった。マツダスピードのようなスポーツモデルを作っていたら面白かったかもしれない。

●国沢光宏が再評価
・デザイン:5
・ハンドリング:4
・動力性能:4
・質感:4
・惜別度:5

(TEXT/国沢光宏)

■マツダのクルマ造りを象徴する一台

セダンの構造的な特徴として、乗り心地、静粛性に優れていた
セダンの構造的な特徴として、乗り心地、静粛性に優れていた

 現行マツダ6は、2012年に3代目アテンザとして発売された。魂動デザインとSKYACTIV技術によるマツダ車の先駆けで、新世代商品の最上級車種だった。

 ボディタイプは今と同じくセダンとワゴンで、両車のホイールベースは異なる。セダンは2830mmと長く、後席の足元空間を広く確保して走行安定性も優れている。

 ワゴンは80mm短い2750mmで、後部のオーバーハングを長くすることにより、広い荷室面積を備える。ワゴンは最小回転半径も0.1m小さく、両ボディの個性を明確に分けていた。

 そして2012年当時は、レガシィB4、マークX、ティアナなど、上質で買い得なセダンも豊富に用意されていた。セダンは低重心で、後席とトランクスペースの間に骨格や隔壁が入るから、ボディ剛性も高めやすい。

 後輪が路上を転がる時に発するノイズも居住空間に侵入しにくく、セダンは走行安定性、乗り心地、快適性を高める上で有利だ。

 これらのセダンが持つ特徴は、今のマツダが目指すクルマ造りの方向性とも一致する。つまりマツダ6は、マツダのクルマ造りを象徴する商品でもあったのだ。

●渡辺陽一郎が再評価
・デザイン:3
・ハンドリング:4
・動力性能:4
・質感:3
・惜別度:5

■アテンザに対するあの期待は忘れない

ルーフ後方をクーペのように寝かせたスタイリッシュなデザインを採用
ルーフ後方をクーペのように寝かせたスタイリッシュなデザインを採用

 マツダ6というより、アテンザセダン/ワゴンと呼びたいんだけど、あのクルマはいろんな意味で、もの凄く注目していたよ!

 まずデザイン。ベースになったのは、2011年の東京モーターショーに出品された「雄(TAKERI)」だ。その「雄」を見て、モーレツに期待が高まっていた!

 マツダの人は「ほぼこのまんま出ます」って言ってたからね。うおおおお、ならメチャメチャカッコいいじゃん! って。

 翌年登場したアテンザは、そこまではカッコよくなかったんだよね……。なにしろ期待値が高すぎたからさ。でも、SKYACTIV-Dとの組み合わせは、当時の国産セダン/ワゴンの革命だったと思うんだ。

 クリーンディーゼルを積んだスタイリッシュなセダン/ワゴンなんて国産唯一で、まるで欧州車みたいだった。

 その後、名前がマツダ6に変わっても、「まあまあカッコいい、ヨーロピアンなセダン/ワゴン」という大筋はなにも変わらなかった。そして年月とともに陳腐化した。

 でも、アテンザに対するあの期待を忘れることはないよ!

●清水草一が再評価
・デザイン:3
・ハンドリング:3
・動力性能:4
・質感:4
・惜別度:3

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