■マツダ6なきあと、マツダのモデル戦略はどうなる!?
セダンは低重心でボディ剛性を高めやすいから、走行性能や乗り心地を重視する車種に最適だ。そして今のマツダは、上質な運転感覚を目指している。
そうなるとセダンとワゴンのマツダ6は大切な商品で、CX-60と共通の後輪駆動プラットフォームを使って新型が登場すると見られていた。
販売店からは「後輪駆動のプラットフォームを使ったマツダ車として、新型マツダ6がCX-60よりも先に発売されるかも知れない」という話も聞かれた。
ところが最近は、新型マツダ6の話題が途絶えた。新型車の大半がSUVのCXシリーズだ。そしてマツダ6は発売から11年以上を経過して、2023年の1カ月平均登録台数は約200台と、CX-5の約10%だ。
マツダ6が終わると、マツダのセダンはマツダ3のみだ。現行マツダ3の発売は2019年で比較的新しいが、日本の1カ月平均登録台数は約1200台と少ない。しかもその内の70%以上をファストバックが占めるからセダンは少数だ。
そもそも現時点で、OEMを除いたマツダ車の半数以上がSUVだ。上級車種は後輪駆動のSUVで、ミドル&コンパクトサイズは前輪駆動のSUVとする。5ドアハッチバックは低価格帯のマツダ2程度で、これ以外のセダン/ワゴン/ハッチバックは車種を問わず廃止する可能性もある。
特に今後はマツダも電気自動車を増やす。売れ行きを増やしにくいマツダ6は、廃止したほうが合理的という判断も成り立つ。
マツダでは車内の広さにこだわったミニバンや背の高いコンパクトカーは扱わない方針だから、広さとカッコよさを両立できるSUVの販売比率をさらに高める。
それでもマツダにとって、低重心で走りの楽しいクルマは絶対必要だ。少なくともマツダ6は、ロードスターと同様の基幹車種に位置付けられる。
(TEXT/渡辺陽一郎)
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