JAFによると、2022年のロードサービス出動理由でもっとも多かったのは、バッテリー上がり(構成比約40%)だったそう。その次に多かったのが、タイヤのパンク・バースト・エアー不足(構成比約20%)だったそうだ。
タイヤは、日頃しっかり空気圧チェックをしていたり、点検を行っていたとしても、道路におちていた異物を踏んでパンクしてしまうこともあります。思いもよらない突然のトラブルは、どんな人でもパニックしてしまうもの。もしものために覚えておきたい、クルマのタイヤがパンクしたときの対処法をご紹介します。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_ carbondale
写真:Adobe Stock、写真AC
パンクに気づいたら、ただちにクルマを止めよう
クルマのタイヤがパンクする原因としては、空気圧不足やタイヤの劣化などのメンテナンス不足・点検不足によるものほか、道路に落ちていた釘やネジといった金属片を踏んでしまったことによるもの、また、道路の縁石に乗り上げたりキャッツアイを踏んでしまったりでタイヤのサイドウォール(側面)にキズが入ってしまうことでも、パンクしてしまうことがあります。
このパンクに気づかずに走行を続けてしまうと、「バンッ」といった破裂音と共に、爆発のような状態となる「バースト」を引き起こしてしまいます。高速走行中は、タイヤに負荷がかかっていることから、特に(バーストが)発生しやすく、「あと少しで目的地だから」と走り続けるのは危険です。また、パンクしている状態で走り続けることは、ホイールリムやサスペンション系へもダメージを与えることにもなり、こうなると修理代金も高額になってしまうため、パンクに気づいたら、ただちにクルマを止めることが大切です。
刺さった金属片は抜かないで!!
一般的な市販タイヤはチューブレスタイヤのため、金属片を踏んでもただちに空気が抜けることがなく、徐々に空気が抜ける「スローパンク」となります。タイヤに金属片が食い込んでいても、空気圧が安定しているようであれば、金属片を抜いたりせずにそのままの状態で、速度を抑えてガソリンスタンドや修理工場、最寄りのディーラーなどへ駆け込むこともできます。
ただ、スペアタイヤがあるならば、スペアタイヤに交換してから向かうべきです。そして交換作業は、ロードサービスに頼るのが一番。タイヤ交換の作業中に、後続車に轢かれたり、坂道でジャッキ作業をしてクルマが落ちてきたりなどの2次被害を防ぐ狙いもあります。しかしながら、停止した場所が高速道路本線上ではなく、安全が確保できる状況であれば、スペアタイヤへの交換や(補修キットで対応できるパンクであれば)パンク修理キットで応急処置をするというのもいいでしょう。
パンク修理キットは、一見作業が難しそうにも思えますが、JAFが以前に実施したモニターテストでは、初めて使用する人でも17分程度で応急修理ができた、という結果がでています。ペーパードライバーの人も、取扱説明書を見ながらであれば、作業中断や応急修理に失敗することはなく、無事に作業完了させることができたそう。あまり難しく考えず、説明書どおりに作業すればどなたでもできると思います。
ただ、修理キットでの補修は、どんなパンクでも対応できるわけではなく、タイヤが地面と接地するトレッド面に小さな穴が空いた場合のみ。また、修理キットで補修をする際も、タイヤに刺さった異物は、刺したままにしておくことが必要。異物を抜いてしまうと、補修液が漏れ出てしまうため、補修が難しくなります。
また、無事に補修ができたとしても、油断は禁物。パンク応急修理キットでの応急処置後は、スピードを上げ過ぎると再びパンクするリスクがあるからです。あくまで応急処置であることを頭に入れ、早急にガソリンスタンドや最寄りのディーラー、修理工場などへクルマを持っていくことが重要です。
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