今夏のデビューが噂されている、ホンダの超人気ミニバン「フリード」。その情報を知ってか知らずか、フリードにとって最大のライバルの「シエンタ」が、5月に改良されるという情報を掴んだ。2023年の販売台数では、フリードにダブルスコア以上の大差をつけたシエンタは、この改良でフリードを完全に突き放すことができるのか。
文/ジョー城ヶ崎、写真:TOYOTA
■早めのテコ入れで好調な販売を維持する構え
2022年8月にフルモデルチェンジを行ったシエンタ。現行型になって、元々高かった人気は、さらに熱を帯びている。
2023年12月の登録車販売台数では、9,390台をマークし見事なトップ。23年の累計販売台数でも13万台を超える好調を維持している。
現行型登場から1年半。そろそろ手の加え時と思っていた頃に、ちょうどよくシエンタ改良の一報が入った。
ライバルであるフリードがフルモデルチェンジを予定する中、好調のシエンタは、どのような改良になるのか。その内容を見ていこう。
■改良は5月9日に実施予定!気になる中身は?
改良の中心は、主力グレードの装備強化だ。
まず、これまで89,100円のメーカーオプションとして設定されていたディスプレイオーディオプラスPlus(10.5インチディスプレイ)が、Zグレードに標準装備される。また、メーカーオプションだったパノラミックビューモニターも、ZとGグレードに標準装備だ。
最廉価のX(ガソリン)には、スマートエントリーが標準装備となる。これでシエンタは全グレードでスマートエントリーを採用することとなった。
さらに現行型プリウスで採用されている、スマートフォンをクルマの鍵代わりとして利用できるデジタルキーが、メーカーオプションとして追加される。選択の多いメーカーオプションを標準化し、さらに機能面での充実を図った形だ。
ボディカラーは、有料色のホワイトパール(070)を廃止し、プラチナホワイトパール(089)を採用。
また、ツートーンのダークグレー×グレイッシュブルーを廃止し、ダークグレー×アーバンカーキへと変更される。
内外装の軽微な変更では、E-Fourバッジを廃止すること、ハイブリッドシナジードライブバッジを「BEYOND ZERO」バッジへ変更すること、プッシュスタートボタンとベゼルを黒へ変更することなどが決められた。
その他、法規対応としてサイバーセキュリティ法規対応、ソフトウェアアップデート法規対応を行う。
価格の変更も予定されており、メーカーオプションの標準化を考えると、Z・Gグレードは現在の価格よりも10万円ほど高くなることが見込まれる。価格の正式な発表は、3月下旬頃となりそうだ。
■シエンタの改良はちょっと弱くない?フリードが一気の追い上げなるか
思ったよりも小規模に収まってしまった今回のシエンタの改良。正式発表は5月を予定しており、新型フリードの登場とバッティングしそうな予感もある。
ライバルのフルモデルチェンジを前にした改良としては、少し内容が弱い感じもするのだが。
コンパクトミニバンの代名詞とも言えるシエンタとフリードが、今後も凌ぎを削り合うのは必至の様相だ。
それだけに、2024年の戦いは、全面刷新されるフリードに分がありそう。シエンタが、小規模な改良でどれだけ販売台数を維持できるのかにも注目していきたい。
2023年はシエンタの勝ちだったが、今年はどうなるのか。コンパクトミニバン決戦の第二幕は、今夏幕切りだ。
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