クルマ界のあらゆる不思議に迫る! 〜トライク編〜

クルマ界のあらゆる不思議に迫る! 〜トライク編〜

 ここ数年でメディアなどに取り上げられるようになり、徐々に拡がりを見せているトライク人気。ただ、通常バイクに乗っている時は、道路交通法によりヘルメットの装着が義務づけられているのだが、トライクのドライバーはほとんどがノーヘルだ。

 多くの人が疑問に思うだろう。「いや、それはいいのか?」、「ヘルメットがなくて危なくないのか?」と。

 調べたところ、現行法ではトライクはヘルメットを被らなくても、今のところ違反にはならないようなのだ。では、なぜトライクはヘルメットを被らなくていいのか、その理由から見ていこう。


トライクとはどんなクルマなのか?

 ■トライクを運転するのに必要な免許は?

 一般的なトライク(前1輪+後2輪、後輪1輪駆動で前ステアリングハンドルなど)は自動車として扱われるため、公道で運転する場合には「普通自動車」以上の運転免許が必要になる。二輪免許では運転ができない。

 ■ヘルメットの着用義務は?

 免許区分が「自動車」なので、ヘルメットを着用しなくても違反にはならない。  

 ■法定最高速度は?  

 一般道では60㎞/h、高速道路は80㎞/h(3輪自動車扱い)と定められている。以上からわかるとおり、基本的な扱いは「自動車」なのだ。そのため、ヘルメットは必要ないという解釈になるそうだ。

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 ただ、トライクの定義が曖昧だった時期があり、それを是正しようと2009年に道路運送車両法が改正され、①前後輪関係なく3個のタイヤがある。②左右の車輪幅が46㎝未満。③車輪および車体の一部、または全体を傾けて旋回する。以上3点のすべてに当てはまった場合は、扱いが自動車ではなく、自動二輪車と同一になり、ヘルメットの着用や、ヘッドライトの常時点灯などが必要となった。

 この改正には、イタリアのメーカーでジレラ・フォコ500ie、ピアジオ・MP3シリーズなどが引っかかった。とはいえ、ここまでの条件を満たしたトライクであれば、ヘルメットを被らなくても大丈夫なものなのだろうか? まずは販売を行っているトライクショップに聞いてみた。

ヘルメット装着の実情とは?

②

 「免許区分が自動車ですので、ヘルメットの着用する必要はありません。ただし、走行風などを受けますし、虫なども飛んできて目に当たると危険ですので、お店としては購入時にヘルメットの着用をお薦めしています。ただ、被るかの判断は、お客様に任せるしかありません」

 実際に購入したオーナーは、どのくらいの割合でヘルメットを被っているのだろうか?「1割くらいですね」

 いっ、1割!? そんなに低いとは驚いた。

 「はい、装着を薦めてはいますが、開放感を優先したいという方が多く、ゴーグルやフェイスマスクの装着にとどまる方が多いですね」

 このショップでは、飛び石などが飛んでくることを考慮して、オーナーには走行する際に車間距離を空けるように促しているそうだ。ショップでも注意は促しているようだが、実際に走行している時にはどれくらい飛び石などがあるのだろうか?

 長年バイクやトライクの試乗を行っている西村直人氏にその実態を聞いてみた。 

次ページは : トライクにヘルメットは必要なのか?

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