■郷に入っては郷に従え、日本の事情に合わせた海外メーカー
先に説明したように、輸入車の多くは右ハンドルであっても左側にウインカーレバーがあるが、いくつかのメーカーは日本仕様の右ウインカーレバー車を製造している。
まずは中国の新進メーカーであるBYD。日本国内ではまだメジャーとはいい難いBYDだが、これから日本市場にアピールする必要があり、日本向けの輸出車では右ハンドル+右ウインカーレバーを採用。
ちなみに中国は右側通行の国なので、わざわざ日本市場に合わせて右ウインカーレバー車を用意したことになる。
BYDのモデルでは、ATTO3(アットスリー)とDOLPHIN(ドルフィン)、これから発売されるSEAL(シール)の3モデルが右ハンドル+右ウインカーレバーに設定されている。
一度は日本市場から撤退したものの、体制を変更して再び日本上陸を果たした韓国のヒョンデもまた、日本仕様のクルマは右ハンドル+右ウインカーレバーだ。
現在ヒョンデはIONIQ(アイオニック)5、KONA(コナ)、NEXO(ネッソ)の3車種を日本国内展開しているが、いずれも右ハンドルかつ右ウインカーレバーと、日本の事情に合わせている。
こうしたことから、BYDとヒョンデの2メーカーが日本を重視しているのがわかる。
マツダロードスターをベースにしたイタリア・FIATのアバルト124スパイダーは、れっきとした輸入車であるが、ベースモデルのハンドル回りをそのまま使っているので、右側にウインカーレバーがある。
■国産なのに左にウインカーレバーがある?
トヨタが17年ぶりに復活させたスポーツカーのGRスープラ。2019年に登場した現行のDB型は、右ハンドルの日本車なのに左側にウインカーレバーが装備されているのをご存知だろうか?
これはスープラがドイツBMWのZ4とプラットフォームを共用し、製造はオーストリアのマグナ・シュタイア社が行っていることに起因する。
だからトヨタのクルマということで油断すると、いきなりワイパーを動かしてしまってバツの悪い思いをするかもしれない。
日本のメーカーから海外に輸出されるクルマは、左ハンドル仕様の場合は左ウインカーレバーに設定されている。
このあたりはISO規格に準じていて、左側通行の国に向けて輸出するクルマ、つまり日本と同じ右ハンドルのままであっても左ウインカーレバーに変更するケースが多い。
日本国内での右ウインカーレバーに慣れている人が、いきなり左ウインカーレバー車に乗ると戸惑うことは多い。
しかし、すぐに左手でのウインカーレバー操作を自然に行えるようになる。ウインカーレバーの位置が異なる複数のクルマを頻繁に乗り替えるのでなければ、それほど深刻な問題にはならないだろう。
だからこそ、今後も日本国内では左右ウインカーレバーの両車が共存を続けていくはずだ。
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