■フルに働いて月収14万〜18万円?
さて、ライドシェアのドライバーは実際にどのような仕事をして、どのくらい稼げるのか、次はそこを検証していこう。すべて4月25日現在の条件である。
日本交通の場合、時給を基本1400円+経費400円(ガソリン代、スマホ通信費)の1800円に設定している。
ここで重要なのは待機中でも時給が発生すること。例えば東京地区では月〜金の午前7時から10時台まで4時間ライドシェアを行えるが、仮にずっと待機だったとしても4時間分の時給が得られる。ただし、ドライバーは客や行き先を選べず、会社からの指示に従わなければならない。
ドライバーは営業所に出向く必要はなく、オンラインで点呼、アルコールチェックを行い、車両の点検をして仕事を開始できる。
待機中も時給は発生しているから乗客を探す必要はないし、行き先もナビの指示に従って走らせるだけだから、裏道に詳しいなどのノウハウも必要ない。
タクシードライバーに比べて業務のハードルは下がるということだが、仕事ができるのは週に20時間未満と決められており、フルに時給が得られるとして月収14万4000円。人によっては年収1000万円クラスもあるタクシードライバーに比べると、稼げる上限はかなり低い。
ちなみに、時給のほかに歩合もあって、1時間あたりの売り上げが税別3000円を超えた分が歩合の対象になるが、歩合が占める割合はさほど高くないことが想定され、やはり月収16万〜18万円というのが上限となりそう。なお、事故や乗客とのトラブルが起きた時の会社の対応は、タクシードライバーと同じだ。
「労働時間や地理の知識、お客様を見つけるノウハウなど、タクシードライバーのハードルの高さが気になる方には取り組みやすいと思います。逆に、ガッツリ働きたい人には物足りないでしょうから、棲み分けができると思います」
――どういう人が向いていると思いますか?
「運転が苦にならないのは大前提ですが、やはり接客業が得意な人のほうがやりやすいでしょう。ナビで目的地は示されますが、細かいところはお客様に確認しながら微調整することになりますからね」と、日本交通秘書広報室の土屋真吾さん。
タクシーが不足するのは平日の朝方など決まった時間帯だけ。日本型ライドシェアはそこを補えればいいという考え方で「何よりもドライバーとユーザーの安全と安心を優先している」と言う。
ドライバーは募集開始1カ月で1万件の応募があったというが、あるタクシー会社では「殺到しているというほどではない」との見解。日本型ライドシェアは安心、安全を最優先にしている運用方法だけに、ドライバーにチャレンジするハードルも決して高くはなさそうだ。
■ライドシェアの使い方は?
日本型ライドシェアはタクシーアプリGO、 Uber、S-RIDE、DiDiを使用する(2024年4月25日現在)。乗客は乗車場所と時間、行き先をアプリで指定し、乗車。乗車前に運賃は決められており、決済はそのアプリのみで現金その他は使えない。
街中で手を上げて止めることはできず、日本交通の場合、配車アプリでライドシェア車両のみを指定することもできない。
ドライバーと乗客を相互に評価できるアプリもあり、実績として残っていくから、両者のマナー向上が期待できる。なお、運賃はタクシーと同レベルとなっている。
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