沖縄地方の梅雨入りが5月の下旬に発表された。ここから順次、日本列島はジメジメで鬱陶しい梅雨に入る。クルマの運転は、晴れよりも雨の方が危険だ。そこで今回は、雨の日ドライブリスクを下げる、梅雨入り前にやっておきたい対策を紹介していこう。
文:佐々木 亘/写真:Adobe Stock(トップ画像=HENADZY@Adobe Stock)、トヨタ
■何は無くとも視界の確保が最優先
雨は運転中の視界を大きく遮るものとなる。ワイパーを作動させても、晴天時のようなすっきりとした視界は確保されない。水や油膜でガラスがギラつき、危険の認知が遅くなることもしばしばだろう。
とにかく雨の日には、できうるだけの視界を確保しておきたいところだ。そこでやっておきたいのが、ガラスの撥水コートである。
塗り込むタイプ、スプレー式のもの、ワイパー作動で自然に撥水など、様々なタイプの撥水コート剤があるが、筆者のおススメとしては、晴天時に綺麗にしたガラスへ施工するタイプのものだ。
雨天時施工で、応急的に撥水させる手軽なモノもあるが、撥水の程度が結構違う。しっかりと雨が水の玉になるような、撥水コート剤を使ってほしい。
また、撥水コートを施工するのは、フロントウィンドウだけではなく、フロントのドアウィンドウも含めるべきだ。運転者の視界は、前方だけではなくサイドミラーなどを確認する横方向に確保されていることも、安全運転には必須である。
そのため、フロント3面の撥水処理は、梅雨入り前に行っておくといいだろう。
ここまで来たら、サイドミラーも梅雨対策。ミラーの鏡面に水が付いて見えにくくなるものには、水滴の付かなくなる加工を施したい。
ここまでやれば、雨天時でも視界の確保ができて、安心・安全のドライブができる。洗車ついでにもう1時間、撥水コート施工の時間を取ってみてほしい。
■困った! 曇った! どうしよう!
ここまでガラスの外側に重点を置いてお伝えしてきたが、ガラスは内側も手を加えて置くことが必要である。
湿度の高くなる梅雨時期は、車内外の温度差で、フロントガラスが曇りやすくなるだろう。曇り止めを塗るのも良いのだが、独特のギラギラが気になるという人もいると思う(筆者も気になる)。そこで、特別な溶剤を使わずに曇りにくくなる方法をお伝えしてく。
それは、手軽で超簡単な作業の、「ガラスを綺麗に拭く」だけだ。窓ガラスが曇る原因の1つには「汚れ」が挙げられる。汚れの付着が無い状態だと、圧倒的にガラスは曇りにくくなるのだ。
施工はいたって簡単。マイクロファイバークロスと消毒用アルコールスプレーを用意するだけ。あとは、内窓にアルコールを吹きかけて、マイクロファイバークロスでふき取ろう。アルコールは揮発性が高く、水拭きの時のような拭きスジが残らないのが良いところだ。
指紋でべたべたの窓ガラスも、アルコール拭きですっきりと綺麗に仕上がる。曇りで困った時には、デフロスターの使用を推奨するが、そもそも曇りにくくしておくことも、雨の日の安全確保には必要な準備なのだ。
■快適空間のカギを握るエアコンを綺麗にしよう
窓の曇り取りや、ジメジメの車内を快適な空間に変えてくれるのがエアコンの役割だ。ニオイや効きの問題は、梅雨前に解決しておくことを強くお勧めしておきたい。
最低限エアコンフィルターの交換は行っておくことと、可能なら簡易的でいいのでエバポレーター洗浄もやっておこう。適切な空調の効きは、運転中の集中力アップにもつながる。
ここまで、洗車+αで出来る、クルマの雨対策を紹介してきた。長い雨の梅雨が終わると、夏にはゲリラ豪雨、秋にはまた秋雨と、これからの季節は雨に悩まされる日が続く。雨でも「見える化」を進めることが、ドライバーや同乗者の安全につながっていくだろう。
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