■もっとシンプルな内装デザインなら!
スイフトのアクセルペダルはずいぶんと外側にオフセットさせていますね。ブレーキペダルとの高さにも差をつけていて、これだけ離していればペダルを共踏みする危険性は大幅に減り、踏み間違いのリスクも減ります。
シートはちょっとクッションが硬めながらホールド性は高く、疲れません。体重をかけて座っている間に徐々にクッションが身体の形状に馴染んできます。
インパネは相変わらずのスズキ的なガチャガチャ感があります。エアコンの吹き出し口が取ってつけたような造形ですが、これなどはいつも言っているように、粘土での造形検討時には色の違いや素材による反射の差異などがなく、気にならないのです。
ところが実際の樹脂になって、シボや色が入るとそれぞれの部位が単独で目立ってしまうのです。
メーターはシンプルな2眼タイプのアナログ指針タイプですが、数字の書体やサイズなどが大きく見やすいです。これはいいと思います。
ステアリングはせっかく本革でしっとりした手触りが好印象なのに、下部に樹脂製の装飾をつけているのはデザインなのでしょうが、無駄です。インパネとの色味を合わせているわけでもないので、さらに統一感がなくなっています。
後席ドアはコンパクトカーならば90度近く大きく開いてほしいです。とはいえ、足元の開口部は広く、乗降性は悪くありません。後席に座ると足元は前席の座面下にスッと入るので狭さを感じることはありません。側突対応で後席乗員を内側にオフセットさせていないのもいい。しっかりと3人座れる後席です。
後席の背もたれはずいぶんと立っています。一般的には24〜25度なのですが、スイフトは22度前後です。さらに背面クッションが硬く身体が沈まないので、より立って感じます。足元は充分広いのだから、背もたれをあと2〜3度寝かせて足を前に投げ出す姿勢にしても窮屈ではありません。
スイフトの荷室は深さがあって嵩のある荷物を積みやすいですね。後席は6対4で倒れますが、特に座面がリンクで下がるような構造ではないため、荷室フロアと段差が少しあります。
■使い勝手に優れる室内空間を演出
フィットの荷室はフロアが高いですが、これはe:HEV用のバッテリーをこの位置に搭載するためです。6対4分割で倒れる後席は、リンクで座面が下がるため低くフラットに収納できます。こうした使い勝手はさすがはフィットですね。また、室内細部の仕上げも丁寧で、質感の高さを感じます。
リアハッチゲートの開閉時に、どの高さまで上げた時点でスッと上がるか? あるいは閉める動作をした時に、どの高さ以下で自重でストンと閉まるか? これはスイフトのほうが自然で使いやすい位置に設定されています。
フィットは「この高さなら自重で落ちるだろう」という位置で手を離しても、スッと開いてしまうことがあります。閉めたつもりのゲートが上がって顔に当たるケースもあります。
運転席に座ります。フィットのシートはいいですね。座面クッション先端が下部に回り込んでいるため、膝裏に角が当たって痛いこともないし、腿裏をサポートするので疲れません。最近のホンダ車は全体的にシートがいいです。
ドライビングポジションも調整の幅が広くていい。ステアリングはチルトだけではなくテレスコ調整もできます。
液晶表示のメーターは、シンプルな表示で面白みはないけれど文字が大きくて視認性には優れているのでいいと思います。
しかし、フィットのホワイトのシートは濡れたジーンズや子どもの乗車で汚れてしまいそうです。
後席は座面の前後長がたっぷりとあるし、クッションストロークもあり、これはいいシートです。乗降時にお尻を滑らせるサイド部は合皮になっていてスルリとお尻が出し入れできる。座面と背もたれのクロスは滑りにくい素材なので身体が動きません。
また、前席のヘッドレストや背もたれ上部の肩部分の張り出しを削っているため、後席からの前方視界がよく、開放感があります。
前席の座面後部が弓なりに削られているため膝スペースに余裕があるし、乗降時の足の出し入れもスムーズです。フィットの室内空間は、利便性や実用性が自慢なだけあってよく考えられています。
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