三菱は2026年にニューカーラッシュをかける。すでに各地販売店の改装や不足する人材の確保など、登場に向けての下準備が進んでいる。大物モデルの連続登場が予定されているが、そのひとつが新型デリカ。開発は順調に進んでいるようだ!!
※本稿は2024年6月のものです
文・予想CG:ベストカー編集部/写真:三菱
初出:『ベストカー』2024年7月10日号
■三菱の新型車ラッシュが始まる!
2026年度に新車ラッシュを迎える三菱は、今その準備に追われている。積極的に販売店の改装を支援し、九州産業大学と組んで販社の人手不足を解消する研究も進めるなど、さまざまな方面から来たるべく新車ラッシュに備えようとしているのだ。
2026年度はそれだけ重要な年になるということだ。パジェロが復活し、アウトランダーがフルモデルチェンジ、そして、デリカD:5にも全面改良が施される。
どれも気になるクルマばかりのなかで、今回お届けする情報は新型デリカだ。5代目の現行型がD:5を名乗っていることから、次期6代目モデルは「D:6」になる線が濃厚。もちろん、別のサブネームが付けられる可能性もあるが、本項では「D:6」として進める。
デリカD:6の源流はジャパンモビリティショー2023で初公開されたD:Xコンセプトであるのはご存知のとおり。「絶対安全大空間×絶対走破性」というデザインコンセプトをカタチにしたクルマで、市販モデルもこのデザインテイストが活かされる。
かつて、2005年の東京モーターショーに出展したコンセプトD:5をベースにして、2007年にデリカD:5が登場したのと同じ流れ。法規対応もあって、コンセプトカーと同じデザインのまま市販することはできないが、可能なかぎり再現を目指す。ここに掲載しているCGはその市販モデルの予想デザインである。
サイドウィンドウの形状や太くて堅牢なDピラーなど、デリカの伝統を感じさせる部分を大事にしながら、一方で新時代、新世代をアピール。
フロントマスクは進化型のダイナミックシールドと説明されており、張り出したオーバーフェンダー、前後のスキッドプレート、サイドプロテクターが荒れた路面での力強さや高い悪路走破性を予感させる。
■よりBEVに近いPHEVを搭載
デリカD:6はインテリアの進化も重要なポイントとなる。余裕たっぷりの空間を確保しているのはもちろん、シート全体を上下動させ、見晴らしのいいベストな着座位置を設定できる「パノラミックシート」を全席に採用。休憩時には運転席、助手席を後方に回転させて、2列目と対面させる機能も用意する。
D:Xコンセプトではインパネの足元を映像で透過させる「シースルーボンネット」が強烈なインパクトを残したが、このシステムを市販モデルに設定できるかどうかは注目したいところ。
死角となる前方の路面状況が見えて安全性に貢献するのはもちろん、車内で浮遊しているような体験ができる面白さもある。登場が2年後だと考えると、実現可能性は決して低くないのではないだろうか。
パワーユニットはPHEVで、デリカ初の電動パワーユニットとなる。
三菱は2023年春に発表した中期経営計画「チャレンジ2025」において、2026〜2028年度を「電動車強化第2フェーズ」と位置付けており、電動車の技術的な進化を具現化するとともに、アライアンスを組む日産、ルノーとの協力も強化するとしている。
つまり、その対象となる時期に登場するデリカD:6も次世代型のPHEVを搭載することは確実ということ。BEVでの走行可能距離を大きく延ばし、今よりもさらにBEVに近いPHEVになるだろう。エンジンは熱効率を上げた進化型の直4、2.4Lが有力だ。
また、チャレンジ2025での電動車強化戦略は電動4WDシステムのS-AWCも対象となっているはずで、こちらも大幅な進化が期待できる。
気になるのは「ディーゼルエンジンが残される可能性もある」という情報が編集部に入っていること。考えられるのはバイオ燃料の使用を前提にした新しいユニットだろうが、PHEVと同時に開発するのは相当な手間がかかり、現実的ではなさそうにも思える。
もしかしたら、D:6の登場後もD:5(ディーゼルのみ)を併売するということなのかもしれない。このあたり、新しい情報が入り次第またレポートする。
●三菱 デリカD:6 予想スペック
・全長×全幅×全高:4900×1900×1900mm
・ホイールベース:2900mm
・車両重量:2250kg
・パワーユニット:直4、2.4L、PHEV
・システム出力:320ps
・駆動方式:4WD
・登場時期:2026年秋
・予想価格:550万〜600万円
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