■なんだかんだいってやっぱスーパーカー
バブル時代の第2次スーパーカーブームが、1970年代のそれと違う点は、脇役がオトナであったこと、である。
買えば必ず儲かった。
投資の対象として、血眼になり新型車を手に入れようと奔走するオトナたち。その数が増えればえるほどに、投機的になってゆく。
乗じて、メーカーもまたさまざまなプラン=夢物語を立ち上げ、いくつかは実現し、多くは泡ともならず消えていった。お互いが、一攫千金を狙っていたといってもいい。
もっとも、それだけ浮ついた、すべてに際限のない(ように思われた)時代だったがゆえに、実現したものたちのなかには、時代の変化や性能の変革を告げる歴史的な名車も多かった。
新車で4500万円が最高3億円まで跳ね上がったフェラーリF40は確かにバブル時代の申し子ではあったが、単なるハリボテに人々が踊ったわけじゃなかった。
時速300キロオーバーの世界を確実に実現する性能があり、レースシーンをしばらく席巻した。そこに確かな技術的進化があったからだ。先進的な4WDシステムのポルシェ959もまた、同様である。
スーパーカーはあの時、確実に変わった。ランボルギーニもディアブロで300キロの壁をラクラクと超えた。
それは、現在へと連なる性能至上主義の誕生であったと思う。
(TEXT/西川 淳)
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