■造って終わり……じゃない! メンテナンスの話
道路事業は開通がゴールではない。日々おびただしい数の車両が通行するのだから、メンテナンスは必須の作業だ。
壊れたり傷んだりした箇所を素早く見つけるため、日々の点検・清掃は欠かせない。道路本体だけでなく、ガードレールや標識、トンネルや橋の構造部分、受配電設備など、対象は幅広い。
破損や劣化が見つかれば緊急性に応じて補修が順次実施される。また、事故で道路施設が壊れた際は、一刻も早い通行再開のため緊急的に復旧作業が行われる。
災害で道路が破損する場合もある。2011年の東日本大震災では、NEXCO東日本管内の各路線も大きな被害を受けた。
直後は約2300kmにわたり通行止めを行ったが、迅速な対応によって翌日には緊急交通を確保、発災から13日後にはほぼ全ての通行止めを解除している。こういった災害での被害を小さくしていくため、施設の耐震化なども重要な取り組みだ。
加えて、施設の更新も計画的に進めていかなければならない。NEXCO3社が2023年1月にまとめた路線更新計画の概略では、新たに更新が必要な箇所として約500km、約1兆円規模の対策費が想定されている。道路を守り、より便利にしていくのは、地道で終わりなき仕事なのだ。
■「へぇ~」と言いたくなる? 高速道路のトリビア
●1日に高速道路を走るクルマの台数は?
2023年度、NEXCO東日本管内の高速道路を通行したクルマの台数は1日当たり約173万台! 道路も傷むわけですね……。
●雪のシーズン、除雪車はどれくらい走る?
2022年度、高速道路の除雪作業に関わった車両の総走行距離はNEXCO東日本管内だけでも約40万km。地球約10周半も走っている!
●トンネル照明LED化の省エネ効果は?
NEXCO東日本管内では、トンネル照明のLED化で使用電力量が年間約4000kWh、CO2排出量は同2.2万トン削減できたという! インフラ長寿命化とエコのまさに一挙両得だ。
■より高効率で安全な道路工事への取り組み
日本における高速道路の整備は1960年代に始まった。完成から半世紀近い月日が流れた路線も、今や珍しくない。道路を将来も継続して利用していくには、施設の改修・更新をさらに加速させていく必要がある。
NEXCO東日本が推進している「スマートメンテナンスハイウェイ(SMH)計画」は、こうした取り組みのひとつ。ICTやAI、ロボティクス技術をフルに活用し、道路の管理を高度化・効率化していくのが狙いだ。
例えば、点検作業へのドローンの導入はすでに一定の成果を挙げている。従来は交通規制を行いながら目視点検していた箇所をドローンで確認することで、省力化や時短化を実現した。交通規制も不要となるから混雑も抑制される。
また、災害発生時などにもドローンは有効性を発揮している。危険な作業現場に用いることで、安全確保に一役買っているのだ。
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コメント
コメントの使い方工事はどれも、今ある不具合の修復か、新しく運転しやすい環境にしてくれるかですから、イライラどころか感謝を常に感じてます。
とくに今は屋外超暑いですからね。お疲れ様です&ありがとうございます、と思って対応してます