発売から4年経っても販売絶好調![ハリアー]が400万円オーバーなのにいまだに超絶人気の理由とは

■ハリアーの人気の秘密は?

SUVとは思えないラグジュアリーなデザインも人気のひとつ
SUVとは思えないラグジュアリーなデザインも人気のひとつ

 ハリアーの一番の魅力は内外装の上質感だが、幅広いグレード構成も人気の秘訣だ。パワーユニットは、直列4気筒2Lノーマルガソリンエンジン、2.5Lハイブリッド、2.5Lプラグインハイブリッドを用意する。最も販売比率が高いのはハイブリッドだが、ノーマルガソリンエンジンもハリアー全体の35%前後を占める。

 ノーマルガソリンエンジンであれば、価格が求めやすく、中級グレードのG・2WDが352万9000円だ。ハイブリッドG・2WDの411万9000円に比べて59万円安い。そしてコンパクトSUVのカローラクロスハイブリッドZ・2WDの325万円にも近い設定となる。

 つまり「カローラクロスの最上級ハイブリッドか、ハリアーの中級に位置するノーマルガソリンエンジンか」という選択が成り立つ。ハリアーは上質なSUVで、従来型のアルファードやクラウンからの乗り替えがある一方、予算にシビアなカローラクロスのユーザーも購入の候補に含めている。

 そしてハリアーの人気を高める上では、2020年に実施されたトヨタディーラーの全店/全車販売体制への移行も大切な役割を果たした。それまでのハリアーは、トヨペット店の専売車種だったが、現行ハリアーの発売とほぼ同時に全店が全車を扱うようになり、ハリアーもすべての店舗で購入可能になった。

Zレザーパッケージは運転席8ウェイパワーシート&助手席4ウェイパワーシート&ポジションメモリー、快適温熱シート+シートベンチレーション(運転席、助手席)が標準装備
Zレザーパッケージは運転席8ウェイパワーシート&助手席4ウェイパワーシート&ポジションメモリー、快適温熱シート+シートベンチレーション(運転席、助手席)が標準装備

 その結果、トヨタ店では、クラウンからハリアーへの乗り替えが発生した。カローラ店やネッツ店では、RAV4のユーザーがハリアーを購入するパターンも生じている。さらに先に述べた「カローラクロスのハイブリッドか、それともハリアーのノーマルガソリンエンジンか」という選択も可能になった。

 全店が全車を扱う販売体制に移行すると、ハリアーのような人気車はすべての店舗で売れ行きを増やし、そうでない車種はユーザーを奪われる。同一メーカーにおいて、車種間の競争と販売格差が拡大するのだ。

日産、ホンダ、マツダなども以前は系列を設けていたが、それを撤廃して全店が全車を扱う体制に移った結果、販売格差が広がって車種の数を減らしている。この車種のリストラは、全店が全車を扱う目的にも含まれている。

■販売店ではどう分析している?

 S(ガソリン・2WD)。ボディカラーはスレートグレーメタリック
 S(ガソリン・2WD)。ボディカラーはスレートグレーメタリック

 ハリアーはなぜ息の長い人気を得ているのかを販売店にも聞いてみた。

「ハリアーは先代型も含めてリセールバリューが高い。高値で下取りできるため、お客様に新型への乗り替えを提案しやすい。またハリアーは内外装の質感が高いだけでなく、実用性も優れている。後席と荷室が広く、4名で乗車してゴルフバッグも積みやすい。そのために子育てを終えて、ヴォクシーやアルファードなどのミニバンから、ハリアーに乗り替えるお客様も多い」。

 ハリアーのリセールバリューの高さは、残価設定ローンの残価率(新車価格に占める残価の割合)からも分かる。一般的な残価率は3年後で45%、5年後は25%前後だが、ハリアーは3年後なら59%で、5年後でも43%だ。中古車として高値で売却できるから、残価率も高い。

 そして残価設定ローンでは、残価を除いた金額を分割返済するから、残価率の高いハリアーでは月々の返済額を抑えられる。今はローンを利用するユーザーの大半が残価設定型を選ぶため、残価率の高さもハリアーの販売を促進させている。

一時は受注台数が多すぎて受注停止となっていたZ“Leather Package”(ハイブリッド・2WD)
一時は受注台数が多すぎて受注停止となっていたZ“Leather Package”(ハイブリッド・2WD)

 このようにハリアーは、様々な理由に基づいて販売されている。特に価格の求めやすいノーマルガソリンエンジンの設定、2~3か月に収まる現実的な納期などは、同じトヨタのランドクルーザーシリーズやクラウンクロスオーバー&スポーツでは得られない購入のしやすさに繋がっている。

 さて、現在の納期はどうなのだろうか?  2020年6月に発売され、早くも納期はハイブリッドモデルが半年~1年以上で、2022年10月の一部改良モデルの発売時点では、上級グレードのZ、Zレザーパッケージの受注停止状態が続いていたが、2023年6月24日からこのZ、Zレザーパッケージの受注が再開するなど、混乱していたことも記憶に新しい。

 でも現在は、2024年8月中旬時点で注文すると、納期は全グレード、2024年11月中旬~下旬となっている。生産体制も整い、それほど待たされていない状況なので、狙い目といえるのではないだろうか。

【画像ギャラリー】超絶人気のハリアーの人気の原因はそのスタイルにあり! 写真でチェック!(7枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

三菱の悲願とされる新型パジェロの詳細情報をキャッチ! ヘビーデューティSUV街乗りテストや軽自動車フル乗車テスト、頑張りました!「ベストカー10月10日号」

三菱の悲願とされる新型パジェロの詳細情報をキャッチ! ヘビーデューティSUV街乗りテストや軽自動車フル乗車テスト、頑張りました!「ベストカー10月10日号」

こ、これは⁉ 新型パジェロの詳細情報から、新しいパジェロ像が見えてきた! 軽自動車フル乗車テストや、クロカンを街乗りでテスト! 結果が気になるテスト企画いっぱいでお届けします