■本当に必要か!? 4WD切り替えシステム!!
次なるメカニズムは、オートマチック4WDシステムである。これは4WDのオートマチックトランスミッション車すべてに装備されるものである。
すなわち、雨が降る(ワイパースウィッチと連動)、ブレーキ(ストップラングスウィッチと連動)、加速時(キックダウンスウィッチオン)の3つの場合、レオーネ4WDATは2WDを選んで走っていても自動的に切り替わるのである。
一見、これは便利に見えるが、実はあまり実用的でないと思う。オートマチックの場合、センターディフのないパートタイム4WDでも、小コーナーでリアタイヤを引きずることは少ない。
事実、この日私は何度も4WDのままフルロックで回転したが、ほとんど気になるほどの引きずりは感じなかった。つまり、このレオーネ4WDATはいつも4WDで走っても滅多に不便は感じないハズなのである。
にもかかわらずこの種の仕掛けを考えるのはなぜだろう。耐久力か何かに問題があるのかとかえってあらぬ疑いを抱く。
事実2WDで箱根をコーナリングしていると、コーナーの性格によりスロットルの踏み加減で2WDと4WDを往復することがある。これは困る。
【画像ギャラリー】歴代のレオーネ振り返ってみると、普通にかっこいいじゃん!(14枚)画像ギャラリー■これまでにはなかった、エアサスペンション!
3つめの新しいエンジニアリングは、エレクトロ・ニューマチックサスペンションというシステムだ。
前後輪とも空気バネを用い、通常のレベルでは減衰力を弱め、ソフトに設定し、ロールやブレーキ時のノーズダイブ、発進時のスクウォート、凸凹をハイスピードで乗り越える時などは、瞬時にハードになるというシステムだ。
私はこのサスペンションこそニューレオーネの技術的ハイライトだと思う。そして、このサスペンションはオートレベリングシステムを有し、車高も任意に30~35mm高くすることができるのである。
これは4WDにとってとても重要なメカニズムである。多くのエアサスペンションより、レオーネのそれはリファインされている。ノーマルでは極めてソフトで少々不安になるぐらい柔らかい。
しかしハイスピードで突起を超えるときは充分にダンピングが効き、ピッチングは続かない。少なくとも乗り心地に関してはとても良いと思った。
しかし、一つだけ不自然なのはコーナリング時に少し道が荒れていると、フロントサスペンションはギクギクし、スティアリングに強いキックバックがある。その時リアに少なからず不自然なショックを感じる。
この種の新しいメカニズムを持つニューカーは時として個体差があるものだから、この件に関しては断定はしないでおこう。もう一度、来月号でより長距離を乗ってその結果を報告したい。
このことに気をとられ、コーナリングアビリティもハッキリとしたことが言えなくて申し訳ない。ただ、4WDと2WDでは安定感が違うことは明らかであった。
また、タイヤはBSのSF237スチールラジアルで、サイズは185/70HR13であった。この辺はスバルは良心的で大変よろしい。妙にワイドタイヤを履きたがるアウディより賛成できる。
ニューレオーネ4WDGTターボは、シリーズ最上級ゆえに少々装飾過多なのはこまりものだが(もう少々簡素なこのシリーズがあっていい)全般的によくできている。
コンパクトなボディ、広い室内、そして4WDの安全なドライブフィール。新しいエアサスペンションの柔らかい乗り心地と、それを助ける出来の良いスチールラジアルタイヤなど、全体的にバランスの取れた高級ファミリーサルーンである。
このクルマは一日のテストでなく、もっとゆっくりと乗り込んでみたい気にさせられる。
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