バカ売れ中のデリカD:5の先代モデル「デリカスペースギア」は今や見かけることも少なくなったが、当時からレアキャラがいた。それこそがデリカスペースギアロング!! ノーマルより40cmも長い、超巨体で全長は驚異の5mオーバー。性格的にオフロード好きも多いだけにここまでの巨体ボディは当然不利になるワケで、どんな層を狙って作られたのか!?!?!?!?!
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】な、長い!! ノーマルとロングの差を見てよ!! デリカスペースギアロングの実態がコレ(8枚)画像ギャラリー■そういやあったなぁ!! スペースギアのロング版!!!!!
高い走破性とミニバンの実用性を併せ持つ、オールラウンダーミニバンとして高い人気を誇るデリカ。その地位を確固たるものとしたのが、1994年に登場したデリカスペースギアだろう。
パジェロのフレームを用いたビルトインラダーフレーム構造を採用し、当時の強化された安全基準に対応するためにフロントにエンジンを搭載するというレイアウトは、現在のミニバンにも大きな影響を与えた。そんなデリカスペースギアには、通常のボディのほかロングモデルも存在していたのである。
【画像ギャラリー】な、長い!! ノーマルとロングの差を見てよ!! デリカスペースギアロングの実態がコレ(8枚)画像ギャラリー■長すぎっ!! 見た目はもはやオフロード版リムジン
デリカと聞くと大柄なボディを想像しがちだが、スペースギアについてはハイルーフモデルでなければ全長4685mm×全幅1695mm×全高1,965mmと5ナンバーサイズに収まっていた(ハイルーフは全高が2m超のため3ナンバーサイズ)。
一方のロングボディは、全長が400mmも長い5,085mmとなっており(ホイールベースも200mm延長)、現行アルファードよりも長いボディとなっていたのである(数値は全て最終型の値)。
にもかかわらず、全幅や全高は標準ボディと同一となっていたため、ボディの長さがひと際目立つまるでリムジンのような存在感を放つスタイルとなっていた。
ただ、道なき道を行くようなハードな使い方をする場合、長い全長&ホイールベースは不利になることが多く、そういった使い方をしたい人はこぞって標準ボディを購入していたようで、ロングボディを見かけることは当時から少なかった。
【画像ギャラリー】な、長い!! ノーマルとロングの差を見てよ!! デリカスペースギアロングの実態がコレ(8枚)画像ギャラリー■マイクロバス的使い方がメイン!? ノーマルとはひと味違うのよ!!!!!
ではなぜロングボディがわざわざ用意されていたのかというと、それは恐らく多人数乗車を目的とするユーザーのためだと考えられる。
実はデリカは初代モデルから人員輸送を主目的とした仕様が存在し続けており、初代では9人、2代目のスターワゴンからは10人乗り仕様がラインナップされていた。その流れを受けてスペースギアにもロングボディに10人乗り仕様が用意されていたのである。
ロングボディにはエクシード系の3列シート仕様の7/8人乗りも存在していたが、10人乗り仕様はまるで商用車かのような質素なスタイルで、デリカのアイデンティティのひとつである4WDモデルも用意されないという割り切った仕様。
シートレイアウトもマイクロバスのような4列シートとなっており、あくまで人員輸送が主といった装いとなっていたのだ。
ただ、やはり多人数乗車が主となるとフロントエンジン車よりもハイエースやキャラバンといったキャブオーバータイプの方がスペース的にも分があったようで、ロングの10人乗り仕様はモデル途中で廃盤となり、後継車種のデリカD:5には設定されることもなかった。
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