■クルマ好きオジには理解不能!? 激増するクルマのサブスク利用者
今やクルマはローンで買って所有する財産ではなく、定額のサブスクリクションや残価設定ローンで、借りて使うスタイルが幅を利かせている。
自動車の販売価格が各種安全装備の義務化や原材料費などの高騰を受けて、年々上り続けいる一方で、購入せずに高級ミニバンを残価設定ローンで乗るスタイルが巷に溢れているのだ。それをサポートするように、自動車メーカー各社が自社でクルマを売らずに乗ってもらうサービスに注力している。
サブスク適用外となるクルマのチューニングに興味がなく、年間の走行距離も長くなく、頻繁に新車に乗り換えたい、何より故障や車検など、急な出費で家計が圧迫されずに、定額の負担で計画的にクルマに乗れるサブスクは、合理的だ。
半面、仕事や家庭環境の変化、趣味嗜好の移り変わりがあっても、応用がきかず、傷や事故など自分の所有物ではないことで生じる気遣いに、途中解約での違約金の発生など、スマホ感覚で乗るクルマのデメリットも見逃してはいけないだろう。
一期一会の中古車で“アタリ、ハズれ”と一喜一憂したり、旧いクルマを自分でDIYでメンテナンスしたり、サブスクが魅力的である一方、それだけでは味わえない濃密なクルマとの関係もあると老婆心ながら思う。
■カラフルな謎ビーズを敷き詰めた灰皿とシガーソケット
昭和や平成の中頃まで、クルマにはドリンクホルダーはなくとも必須の装備だったシガーライターと灰皿。アラフォー世代以上のドライバーなら、シガーライターの赤熱したコイル状の電熱線や、立ち寄ったガソリンスタンドでクルマの灰皿の吸い殻を捨ててもらい、消臭芳香用の灰皿ビーズを入れてもらった経験があるだろう。
あれから四半世紀超、1966年の最盛期には成人男性の8割強が喫煙者(※JT、日本たばこ産業調べ)だった時代から、2018年には同喫煙率は27.8%にまで減少。もはや車内は“喫煙所”ではなくなりつつある。
それに伴いセンターコンソールやドア内側の絶好のポジションを占拠していた灰皿は姿を消し、シガーライターは後付け12V用社内アクセサリー電源へと役割を変えた。その電源ソケットさえ今やUSBポート(USB-Cのみなんてクルマも)が役割を代替し始めているのが現実だ。
喫煙歴ゼロの筆者ではあるが、取り外しの有無や蓋の形状、底が深いものや内部に照明がつくものなどユーザビリティに対するメーカー各社の思いが反映された灰皿が姿を消し、ドリンクホルダーに差し込むタンブラー形状のものだけになってしまったのはどこかさみしく感じてしまう。
■昭和オヤジも令和の若者も
サブスクやカーシェアでクルマを買わずに乗るのが当たり前となった昨今。クルマは以前に比べて圧倒的に便利で燃費が良くなり安全性も向上した。
一方で中古車は、現代では味わえない魅力により10万kmはおろか、20万km近い過走行の平成初期のクルマが新車価格よりも高い値で取り引きされている。
クルマとの接し方に正解はない、どちらが常識か非常識かと線引きするのではなく、全世代がそれぞれのクルマ文化を認められる世の中であってほしい。
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