ハイブリッドの走りはどうだ?
ヤリスハイブリッドZ(2WD)は、ハイブリッドシステムを搭載しながら、車両重量が1090kgと軽い。エンジンとモーターの相乗効果によるシステム最高出力は116馬力だ。モーターの効果により、アクセル操作に対する反応が機敏で、高回転域ではエンジンが活発に吹き上がる。モーターとエンジンの特徴を掛け合わせたハイブリッドシステムだ。
ちなみに日産のe-POWERでは、エンジンは主に発電を行ってモーターが駆動を担当する。そのために運転感覚はモーター駆動の電気自動車に近いが、ヤリスハイブリッドのTHSIIは、エンジン駆動の特徴も感じさせる。実用回転域の余裕があり、1.8Lエンジンを搭載している感覚で加速できる。
販売店で試乗した時は、ノイズを確認したい。例えば登り坂に差し掛かった時など、3気筒特有のエンジンノイズが耳障りに感じる場合があるからだ。
乗り心地にも注意したい。ヤリスのベーシックグレードが装着する14インチタイヤ(175/70R14)は、燃費性能を向上させるために、転がり抵抗を抑えた。指定空気圧も、転がり抵抗を抑えるために前輪が250kPa、後輪は240kPaと高い。そのために路上の細かなデコボコを伝えやすく、段差を通過した時の突き上げ感も強い。
その点で、今回試乗したハイブリッドZ(2WD)には、オプションの16インチタイヤ(185/55R16)が装着されていた。このタイヤは14インチに比べてコストが少し高く、快適性にも配慮した。指定空気圧も、前輪が220kPa、後輪が210kPaと低いから、14インチタイヤほど乗り心地の粗さは気にならない。
その代わりWLTCモード燃費は、14インチタイヤのハイブリッドG(2WD)は35.8km/Lだが、16インチをオプション装着したハイブリッドZ(2WD)は29km/Lに下がる。それでもハイブリッドZを買うなら、16インチタイヤを装着したい。オプション価格は、アルミホイールと併せて8万2500円と少し高いが、それだけの価値がある。
ボディが軽く、重心の低いコンパクトカーだから、走行安定性も満足できる。ステアリングの反応に鈍さはなく、峠道では車両の進行方向を変えやすい。下り坂のカーブを曲がる時も、後輪の接地性に不満はなく、走りのバランスは良い。
この軽快な運転感覚は、街中でも実感され、ヤリスの特徴になっている。最小回転半径が4.8~5.1mに収まる小回りの利きもメリットだ。
つまりヤリスは、2名以内の乗車で、街中や峠道を軽快に走りたいユーザーに適する。改良を受けて前席アームレストも装着され、渋滞時の快適性も向上した。ハイブリッドは燃料消費量が抑えられ、気軽に使えるコンパクトカーのメリットを満喫できる。
ハイブリッドZ(2WD)の価格は、前述の266万9700円だが、1.5Lノーマルガソリンエンジンを搭載したZ(2WD)なら、AT(CVT)装着車が230万1200円と割安だ。Z(2WD)には、6速MTも219万7800円で用意され、クルマ好きのニーズに応えている。
ベーシックカーとはいえ、試乗したヤリスハイブリッドは266万9700円と、ひと昔前のコンパクトカーに比べると隔世の感があるが、もはやベーシックカーとはいえない魅力に溢れたクルマだった。



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