当サイトにて自動車ジャーナリストに「普通のいい車を選んでください」とお願いしたところ、上位2台に選ばれたスバルインプレッサとマツダアクセラ。
街乗りにもロングドライブにも使えて、価格も手ごろで燃費や安全性能、「走りの楽しさ」などを高次元でバランスしている(派手さはないが)「いい車」。
そんな2台だが、ではいまの時点で比べるとどっちが「よりいい車」なのか? 渡辺陽一郎氏に聞いてみました。
文:渡辺陽一郎
ベストカー2018年1月10日号より
■安全装備、走行性能で比べると……
インプレッサスポーツはモデルチェンジしてから1年ちょっと。「これからが旬」のクルマなのである。長く付き合えるから購買欲をそそられる人が多い。
また、4WDを豊富に用意していることも強みだ。ビギナーにも安心感のある走りを提供してくれる。
この5代目インプレッサは新世代プラットフォームを採用し、先進安全装備もてんこ盛りだ。運転支援システムのアイサイトはバージョンアップし、歩行者認識能力も向上させている。しかも標準装備だ。
それだけではない。歩行者エアバッグまでも標準なのである。もちろん、クルマそのものの安全性能も世界トップレベルだ。だから売れないはずはない。
これに対しアクセラスポーツはデビューしたのが2013年11月と古い。すでに5年目に突入しているから新鮮味は失せた。だが、2017年夏に商品性向上のための改良を行い、魅力を増している。
買い得感の高い15SのLパッケージを追加し、自動ブレーキやブラインドモニターなど、先進安全装備も標準装備にした。
だが、安全装備を充実させたものの、インプレッサのアイサイトと比べるとユーザーの認知度は低い。これが惜しいところだ。
走りの実力はインプレッサを凌ぐほどスポーティで、気持ちいい。インプレッサは落ち着いたバランスのいい走りをウリにする。
アクセラスポーツはステアリング操作と連動してエンジンの特性を制御するGトルクベクタリングコントロールを採用した。意のままに気持ちよく曲がリ、運転していて楽しい。
だが、プラットフォームを一新したインプレッサと比べると設計の古さが顔を覗かせる場面がある。
また、アクセラは東京モーターショーに「魁コンセプト」というコンセプトカーを参考出品した。
これが次期アクセラであることは明白だ。モデルチェンジが遠くない時期にある、と暗示していることも購買欲を削ぎ、販売を鈍化させている、と思う。
【結論】
どちらもいい車だが、この両車で比べるならインプレッサに軍配が上がる。
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