ゴルフヴァリアント&メガーヌスポーツツアラー試乗 令和の「魅力的なワゴン」は欧州にあり!!

メガーヌはADASを大幅に進化させた

メガーヌスポーツツアラーのフロントスタイル
メガーヌスポーツツアラーのフロントスタイル

 メガーヌスポーツツアラーのボディサイズは全長4,635mm×全幅1,815mm×全高1,495mm。ゴルフヴァリアントと比べると全幅は20mm、全高は10mm大きくなっているが、全長は5mm小さくなっている。

 ラゲッジ容量は5人乗車時で580L。ラゲッジ両サイドのハンドルを引くと倒せる6:4分割可倒式リアシートを倒せば、最大で1,695Lまで拡大する。5人乗車時ではゴルフが勝ち、リアシートを倒した状態ではメガーヌスポーツツアラーが上回っている。

 搭載するパワートレインは、最高出力159ps、最大トルク270Nmを発生する1.3L直列4気筒ターボ+7速EDC。駆動方式は2WD(FF)のみ。燃費性能はWLTCモードで16.6km/Lとマイルドハイブリッドのゴルフに一歩譲る形だ。

 インテリアは7インチのデジタルインストルメントパネルを採用。さらに、ダッシュボード中央に配置される7インチ マルチメディア イージーリンクタッチスクリーンには、スマート フォンとのミラーリングを可能にするマルチメディアシステム「イージーリンク」を新たに採用し、操作系も より使い易く改良されている。

 また、運転モードやインテリア照明(アンビエントライト)などをカスタマイズできるルノー・マルチセンスも、 7インチ マルチメディア イージーリンクタッチスクリーンで操作可能だ。

 運転支援システムは先代モデルから大幅に進化。アダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)をはじめ、アクティブエマージェンシーブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)歩行者検知機能付、ドライバー疲労検知アラートなどを新採用。合計10の機能を搭載している。

ゴルフとメガーヌともに高い走行性能を誇るが表現方法が異なる

メガーヌスポーツツアラーの走行シーン
メガーヌスポーツツアラーの走行シーン

 ボディサイズや利便性は非常に近いゴルフヴァリアントとメガーヌスポーツツアラーだが、試乗してみると、乗り味は大きく異なっている。試乗したのはゴルフヴァリアントが、新車価格が326万5000円のeTSIアクティブ。そして330万円のメガーヌスポーツツアラーインテンスだ。

 ゴルフヴァリアントはハッチバックと同時に試乗したのだが、ハッチバックのゴルフの全長は4,295mmでヴァリアントは4,640mmなので345mmも延長されている。しかしゴルフヴァリアントはその長さを感じさせないシャープなフットワークが特徴。

 乗っているとボディの長いステーションワゴンに乗っていることを忘れてしまうほどだ。これは、ステーションワゴンのウィークポイントとなりがちなリアハッチ周りの剛性がたかめられていることで、ねじりが生じない。ステアリングを切ってからのリアセクションの動きの遅れがないため、フラットな乗り味で非常にスポーティだ。

 一方のメガーヌスポーツツアラーは、リアセクションの長いステーションワゴンであることを意識させてくれる。コーナリングの際にステアリングを切ってからリアサスペンションがしっかりと仕事をして、適度なロール感を与えてくれる。
しかし、そのロール感により、FF車ながらリアタイヤの仕事をタイヤ、ステアリングを通じて、ドライバーとコミュニケーションが取れるので、乗り味はスポーティだし、非常に運転していて楽しい。

 さらにメガーヌスポーツツアラーのシートの座り心地そしてホールド感が抜群。フランス人は荷物を満載し、バカンスにロングドライブへ出掛けるというが、たしかにこのシートならば、ロングドライブでも疲れにくいと感じた。

 甲乙つけがたいゴルフヴァリアントとメガーヌスポーツツアラーの実力だが、一つ言えることはこれだけの利便性と走行性能を備えたステーションワゴンが300万円前半で購入できるのであれば、国産のステーションワゴンのセールスが苦戦することは納得できる。

 クルマは道路と文化によって作られるというが、ステーションワゴン文化が熟成した欧州車は優れた利便性とアプローチは異なっても優れた乗り味というポイントは外さないのだ。

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