超人気DJにしてクルマ好きのピストン西沢さん。実はレース参戦歴が長いピス兄だけど、スーパー耐久は特に思い入れが深いみたい。なんたって幾度となく乗ったスプーンのマシンに乗れるというんだから。今シーズンのS耐は超絶盛り上がるの間違いなし!!
文/写真:ピストン西沢
■「数々の伝説」をまたつくっちゃうぞ
こんにちは! おっさんレーサー「ピストンにしざわ」です。96年にザウルスJrというレースでデビューして以来、色々なモータースポーツを体験してきましたが、ここ10年くらいは年に1、2度と、引退マジかでした。
そんな時、友達の野蛮人「ターザン山田」から「おーい!ピスちゃん、俺と一緒にスプーンシビックのろうぜぇ」と声がかかったのですわ。「何言ってやがる、スプーンは俺のチームなんだぜ!!昔から箱車レースの一流チームで、数々の伝説を残してるんだぜ(注:伝説とは…創立者の市嶋樹氏が酔うとヨダレがでることや、無線で何を言っているのかわからない事ではない)。
そう!西沢は2003年から度々S2000やインテグラのレースカーで、スーパー耐久を荒らしていたのだ(注:コントロールタワーに呼ばれることではない)。
今年はHONDA CIVIC TYPE R(FL5)で、スーパー耐久のクラス2で戦う。SPOON リジカラ CIVIC、95号車はノーマルをベースにロールバーなど補強が入り、スプーンオリジナルのウイング、フロントリップ、ホイールなどを装備し、WINMAXのブレーキ、ブリッドのシート、サスペンションはKWなど実績のあるパーツでかためている。
タイヤはブリヂストンのスリックタイヤだ。ライバルはGRヤリスとランエボⅩ。両方とも4駆でFFのシビックには、強敵だ。ドライバーはAドライバーが山田英二(ターザン山田)、Bドライバーに小出峻(HRCとの連携で実現したHRC育成ドライバー)、そしてCがピストン西沢(HRC末端ドライバー)。
今回出番の無かった三井優介は、次戦以降小出と変わりばんこで出てくる。
■加速もよく直線性能が高いタイプR
さて、プロジェクトは3月から始まった。まず岡山でシェイクダウンして、その後菅生でテスト。
フロントのトラクションを稼ぐことと、前後の接地バランスを探り、加速が良くて、よく止まって、よく曲がる安定して速くて疲れなくて、バトルしやすくタイヤが消耗してもラインが自由になるクルマを目指した……(笑)
その甲斐があって、予選ではターザン山田選手がQ1の上位4台に見事食い込み、小出選手がクラス2位をゲット!ポールは「KTMS GRヤリス」だったが、シビック・タイプRはスプーンの2位からその先4位までを占め、GRヤリスVSシビックの抗争に発展。
このシビック・タイプRはFFながら加速がよく、真っすぐが速い。しかし菅生はホイールベースが短く、よく曲がるGRヤリスに有利。さてレースは一体どうなるのか? 4時間の耐久レースは4月21日日曜日午後にスタートした。
■ライバルとのデッドヒートがアツい
まずはターザン山田選手がスタートして、その後西沢につなぎ、最後は小出選手という戦略だが、まだデータの少ないこれがデビュー戦のスプーンは、燃費の安全策で4スティントを選択。これが最後に明暗を分けるのだが…。
レースはGRヤリスが逃げる展開で始まり、その後ろにずら~っとシビックが並ぶ。いやぁこの絵はシビックファンとすると嬉しいものです。その後トップの「KTMS GRヤリス」がピットインしたこともあり、クラストップを激走。
しかし、そのGRヤリスはほどなく、真後ろにつき何と3コーナーという中々抜けないコーナーのアウトからスプーンシビックをパッシング。こりゃかなわんな(汗)…と言っているのもつかの間、バトルでタイヤを使い果たしたターザン山田選手は72号車OHLINES CIVIC NATSにも抜かれ、クラス3位。
と…その時ヘアピンで1台がクラッシュし、緊急ピットインからピストン西沢に交代。「よーし!行くぜ」とばかりにコースに出るが、その時チームは早く復帰させるためタイヤ交換をせずに給油だけでコースに戻す作戦。
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