ダカールラリー2025は中間休息日を終え、後半戦に突入。トータル829kmという長丁場でHINO600にブレーキが効かなくなるトラブルが発生した。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日野自動車・フルロード編集部
ブレーキトラブルをカバーし、砂丘では大排気量車にそん色ない速さ
ダカール2025は1月11日、サウジアラビアのハイル~アル・ドゥワディミ間で競技を行ない、後半戦に突入した。
この日のSS(競技区間)はハイルから101km移動した丘陵地から始まり、アル・ドゥワディミ近郊の山間地まで途中171kmのトランスファー区間(舗装路)を挟んで605kmに及ぶ。さらに123kmのリエゾン(移動区間)でビバークに到達するトータル829kmの長丁場であった。
HINO600シリーズでトラック部門に参戦している日野チームスガワラは果敢な走りを見せテクニカルな区間で順位を浮上。残り200kmほどでブレーキが効かなくなるトラブルに見舞われたがそのまま走り切って4輪部門総合75位、トラック部門7位でゴールした。
この結果により11日までの累積順位を4輪部門総合53位とし、トラック部門7位のポジションをキープした。
SSは台地の上を行く高速セクションから始まるが160km地点を過ぎると道の悪い岩場となってペースダウン。その後も土の中に石が隠れているワインディングなど低速区間が続いた。233km~404km地点のトランスファー区間を過ぎると路面は砂地となり砂丘も登場。日野チームは残り100kmほどで日没を迎えたが、注意深く走り切ってゴールに到着した。
SSを終えたあとブレーキのエア抜きとスローパンクしていた左前輪の交換を実施。夜10時頃にアル・ドゥワディミのビバークに到着した。
12日は当地を基点とするループコース419kmの競技が予定されている。
【日野チームスガワラのスタッフのコメント】
菅原照仁
トランスファー区間で右前輪のホイールハブが濡れているのを発見し、ハブリダクション機構からの漏れと思ってオイルを足しましたが、ブレーキでした。残り200kmぐらいから効かなくなり、シフトダウンで減速しながら砂丘を越えてきました。また、残り100kmぐらいで日が暮れたのでペースを抑えました。全部で30分ほどのロスだったと思います。
染宮弘和
2箇所ナビゲーションが難しいところがありましたが、いつも通りこなしてきました。視界の限られる日没後はよりロードブックに忠実に走るようになるのでナビ的に問題はありません。
望月裕司
SSゴールでブレーキのエア抜きをしましたが、リエゾンのゴール近くまで来たら再び効かなくなってしまいました。スローパンクのタイヤはみるみるうちに萎んでいったので交換しました。