心配されたブレーキトラブルも修復し、日野チームスガワラのHINO600は第7ステージへ。
この日は堅い路面が多く、大型車に有利なコースだが、日野チームスガワラは部門7位を堅守する走りを見せた。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日野自動車・A.S.O.
大型勢のライバルを相手にトラック部門7位を堅守
ダカール2025の第7ステージ、12日の行程はアル・ドゥワディミを基点にしたループコース。同市の南西部で419kmのSS(競技区間)が行なわれた。
11日のブレーキトラブルをしっかり修復した日野チームスガワラのHINO600シリーズは、この日のSSを快調に走り切り、4輪部門93位、トラック部門9位でゴール。累積順位を4輪部門総合51位としてトラック部門7位のポジションを守った。
現在6位のマーティン・ヴァン・デン・ブリンク組(イヴェコ)とのタイム差は1時間23分16秒、8位のヴァイドタス・ザラ組(イヴェコ)とは15分08秒の差となっている。
HINO600のブレーキは圧搾空気によって発生させた油圧で制動力を発生させるエアオーバーハイドロリック式。前日のトラブル原因は右前輪ブレーキキャリパーのオイルシールの不良で、念のため4輪ともシール交換を行ない万全を期した。
この日の行程は2輪と4輪に別のコースが設定された。4輪部門の路面は半分近くがグラベルだが岩場のガタガタ道も多く、石のある砂地のピストに砂丘と変化に富んだステージになっていた。
HINO600シリーズのA09C型8.9リットルエンジンは最大トルク値では13リットル級の大型車用エンジンに及ばないが、中高回転を得意とする出力特性を活かすべく、トランスファーに内蔵されている2段式副変速機のローレンジを多用することで、大型のライバル勢への対抗を実現している。
とりわけ砂のステージでは砂丘を得意とするドライバーの技量もあってライバル勢にそん色ない速さを発揮するが、堅い路面では出力に勝る大型車に分がある。
この日のような変化に富んだステージでは路面の変化に応じて14位~8位と順位が変動する混戦となり、最後までミスなく走り切った日野チームが終盤にポジションを上げることに成功して9位でゴールした。
明日13日はサウジアラビアの首都リヤドへ向かう行程で488kmの競技が予定されている
【日野チームスガワラのスタッフのコメント】
菅原照仁
今日はトラブルもなく良い一日。思ったよりガタガタ道が多い印象でした。そういう区間では大型勢が速いですね。最後に出てきた砂丘では直前の降雨の影響も感じましたが、埃も酷かったです。
染宮弘和
今大会から追い越しの意思を無線電波で先行車に伝えるサンチネルを3回使って避けなかった車両にペナルティが課されるようになりました。ところが規則を悪用してはるか手前からサンチネルを使い、相手のペースを落とさせて追い抜く人もいて、困ったものだと思います。
望月裕司
今日はノートラブルで何もなくゴールできました。ただ、ずっと窮屈な姿勢で座っているのでそろそろ腰が痛いです。