トヨタグループの自動車輸送大手「トヨタ輸送」と、水槽事業などを手がける「SY」はこのほど、次世代型太陽電池「カルコパイライト太陽電池」を搭載した導風板の実証導入を開始したと発表した。一体どんな内容なのか? 気になる実証の概要をまとめました。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/トヨタ輸送
導風板にカルコパイライト太陽電池を搭載し燃費向上を目指す
トヨタ輸送(愛知県豊田市)とSY(岐阜県羽島市)はこのほど、環境性能向上を目的に次世代型太陽電池「カルコパイライト太陽電池」を搭載した導風板を装着した車両運搬車の実証導入を開始した。導風板とは、走行時の空気抵抗を低減するためキャブ上部に搭載するエアロパーツのことである。
カルコパイライト太陽電池とは、銅やインジウムなどからなる化合物半導体を用いた薄型軽量太陽電池のこと。軽量、柔軟で耐久性が高く、同じく次世代型太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池と並び曲面や壁面への設置に強みがある。国内ではPXP(神奈川県相模原市)が2026年の本格量産を計画中だ。
トヨタ輸送がカルコパイライト太陽電池を活用した実証的な取り組みを開始したのは2024年10月のこと。専用架台を用いてキャブ上部に太陽電池を設置し、実運行条件下で検証を進めてきた。太陽光で発電した電気は補機類用バッテリーに蓄える。これによりオルタネータの稼働を減らし、燃費性能アップを図るのが狙いだ。
実証では、一定の燃費向上効果が確認されるなど、車両運搬車への搭載に関する有望な知見が得られた。そこで今回、これまでの実証結果を踏まえ、より高い実用性と車両との一体性を両立する手法を検討した。
そのなかで「車両装備そのものが機能性と環境価値を併せ持つ」形として、導風板と太陽電池を一体化する今回の取り組みに至ったという。
なお今回の取り組みは、同じトヨタグループの豊田通商からの提案により具体化したもの。豊田通商がトヨタ輸送に太陽電池を手がけるPXP、導風板の設計・製作を担うSYを紹介し、共同検討がスタートしたという流れだ。
SYが設計・製作した導風板は、PXP製カルコパイライト太陽電池を可能な限り多く、かつ効率的に搭載できる設計とされ、導風板本来の空力性能と、搭載性・耐久性の両立を追求。現在はトヨタ輸送が運行する車両運搬車に搭載され、実際の運行環境下で実証を行なっている。
同社では、今後はカルコパイライト太陽電池を搭載した導風板がもたらす環境性能向上効果について燃費やCO2排出量への影響を中心に評価を進めていくと同時に、実証結果を踏まえながら実用性や展開可能性も検討するとのことだ。
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