燃料電池トラックは「コスパ」を追求する実用段階に!? 【セルセントリックが発表した次世代燃料電池(前編)】

次世代燃料電池「BZA375」のパフォーマンス

燃料電池トラックは「コスパ」を追求する実用段階に!? 【セルセントリックが発表した次世代燃料電池(前編)】
セルセントリックの次世代型燃料電池「BZA375

 セルセントリックの燃料電池システムは現行型の「BZA150」型でも先進的なパフォーマンスを誇るが、次世代型の「BZA375」ではさらに性能を向上した。特徴としては次のようなものとなる。

●単一システムパッケージで連続正味出力375kW (500hp以上)を実現(現行の「BZA150」は150kWのシステム2基で300kWだった)
●BZA150比で燃費を20%改善。総重量40トンの大型トラクタのフル積載・実走行条件での燃費値は100km当たり水素6kg(6kg/100km)
●現行モデルと同等の出力条件(300kW)では廃熱を40%削減し、よりコンパクトで高効率な冷却システムを実現
●BZA150比で出力密度を40%向上し、コンパクト化。長距離トラクタで主流となっている13L級エンジンと同等のサイズとして、既存トラックのエンジンルームに適合、ディーゼル車と同じアーキテクチャへの統合を容易にした
●コンポーネントやインターフェースを大幅に簡略化し、複雑性を40%削減
●重量を500kg未満に抑えた。これによりディーゼル車と同等の積載量を維持できる

 これまでBZA150では大型トラック向けにツインシステム(システム2基の組み合わせ)を採用していたが、BZA375は大型車を前提にシングルシステム設計となった。

 複雑性の排除とコンパクト化は、この設計によるところが大きく、ディーゼル車として開発された既存の車両プラットフォームにも組み込むことができる。新規開発するより大幅にコストを削減でき、顧客のOEMはコスト効率の高いFCEVを実現できる。これは商用車メーカーが合弁で設立したセルセントリックの強みだ。

 システムの耐久性は現行モデルの特徴でもあるが、大型トラックの一般的な耐用年数である10年間に相当する25,000時間を確保している。BZA375の改良は全て、この耐久性を維持しながら達成したもので、最新のディーゼル車に匹敵するという。

 BZA375は既に試験生産を開始しており、最初の試作機による厳格な性能・耐久性試験は数か月にわたり行なわれている。

 現在は同社の顧客(ダイムラーやボルボ)が検証のために利用しているが、今後はより成熟したシステムを試験・検証・初期導入のために提供する。そして2030年前後を目途に大量生産に向けた準備を進めている。

【画像ギャラリー】新型燃料電池の発表イベントとセルセントリックの「BZA375」(8枚)画像ギャラリー

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