乗用車だけじゃない!? フォードが長距離輸送用の燃料電池大型トラックを開発へ

欧州のプロジェクトを通じて実証

 EUが出資するZEFES(あるいは「長距離輸送の貨物エコシステムにおけるモジュラー式パワートレーンを備えたゼロ・エミッションの柔軟な車両プラットフォーム」)プロジェクトには約40社が参加している。

 トラックメーカーの4社(ボルボ、スカニア、ルノー、フォード)とトレーラメーカー2社のほか、運送会社や研究機関などがゼロエミッション車(ZEV)による長距離・重量物輸送の実現に共同で取り組むプロジェクトだ。

 そのために量産化の可能性やディーゼル車と同様の日常業務に耐えられることを立証するデモンストレーションにも焦点を当てており、2025年には9種類の車両コンセプトを用いた実証が予定されている。その内訳はFCEVが4車、バッテリー電気(BEV)が5車となっている。

 これらの車両による走行距離は合計で100万kmを計画しており、GCW40トン超の大型ZEVが、一日に平均500km・最大750kmを走行する。また、「実験のための実験」ではなく実用性を評価するため、欧州の国際貨物輸送における実際の業務で使用する。

 運行と評価は、プロジェクト内で開発するデジタルプラットフォームを通じて行なうといい、欧州における貨物輸送エコシステムのZEV化に向けた重要なステップという位置付けだ。

持続可能な技術の開発をリード

乗用車だけじゃない!? フォードが長距離輸送用の燃料電池大型トラックを開発へ
2022年のIAAトランスポーテーションで公開されたフォードのBEVトラック

 フォードは先述の通り一度は欧州の大型商用車市場から撤退したが、IToY2019を受賞した独自開発のF-MAXで成功をおさめ、トラック開発の本場とも言うべき欧州市場に再参入した。

 フォード・トラックスとしてはF-MAXの燃料電池バージョンのほか、大型商用車向けに自社開発の水素燃焼エンジンの試験も行なっており、エンジン(内燃機関)によるゼロエミッション技術の開発も進めている。

 商用車のゼロエミッション化に積極的に取り組み、経済成長が見込まれるトルコを本拠とする同社は、2040年までに製造する大型商用車を全てゼロエミッションとすることをコミットメントに掲げる。2022年にはそのための試金石として、IAAトランスポーテーション(世界最大規模の商用車の展示会)で純電動大型トラックも公開した。

 フォード・トラックスの副社長・エムラー・ドゥマン氏は、FCEVのF-MAX開発に際して次のようにコメントしている。

 「フォード・トラックスは持続可能性目標に従って代替燃料技術に投資しており、これは自動車業界の未来を定義することです。電動化と、それに続く水素技術は、弊社の最優先事項です。

 重要なマイルストーンとなるフォード・トラックス初の燃料電池車は、F-MAXをベースとし、欧州連合のZEFESプロジェクトの一部として開発します。バラード社との提携は、長期的な関係を構築することで将来にわたって膨大な価値を生み出すでしょう。

 弊社は広範な技術と才能、そして製造能力を持ち、こうした努力が実を結ぶ日は遠くありません。フォード・トラックスは持続可能な輸送の未来を切り開く先駆者であり続けます」。

 いっぽう、バラードの最高商務責任者(CCO)のデイビッド・ムチャッチャロ氏のコメントは次の通りだ。

 「欧州市場への展開でフォードトラックスと提携することを嬉しく思います。バラードが同社の優先サプライヤとして評価され、量産化されたF-MAX燃料電池大型トラックに採用される日を楽しみにしています。

 燃料電池トラック市場は急激な成長が見込まれるため、弊社がフォード・トラックスのパートナーに選ばれたことは、このプラットフォームにおける勝利だと考えています。

 私たちのFCムーブXDは、航続距離・水素充填・積載量・パッケージングなど、長距離輸送用トラクタを必要とするお客様の要求に最も適したものです」。

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