中型トラックの新水準
長距離輸送がほぼトレーラ化されている欧州では特装系の用途の多くを中型車が担っている。様々なホイールベース(最大6.9メートル)とシャシー全長を用意し、架装フレンドリーな汎用性を確保した。
また、架装がしやすいようにXBシリーズのシャシーでは新たにグリッドパターンを採用した。同じく新しいのは、再配置可能な燃料タンク、排気系、バッテリー、エアタンクなど「事前定義済みシャシーレイアウト」で、これは主に道路清掃車やダンプのためのものだという。
安全性においては、AEBS(衝突被害軽減ブレーキ)がレーダーとカメラの両方で車両前方の交通弱者を警告するとともに、AEBSのブレーキがアクティベートされるとイベントデータレコーダーが画像とデータを記録する。
車両のブラインドスポットにいる自転車や、ドライバーの居眠りを検出したときに警報を発するほか、速度制限(標識)認識機能によるスピード違反の抑制や意図しない車線変更の警告など、危険回避のためのADASも充実している。
低いキャブ位置、大型のウィンドスクリーンとサイドウィンドウ、そしてそのベルトラインを下げたことにより優れた直接視界も実現した。助手席側のカーブビューウィンドウもオプションで用意し、新型ミラーのスリムなデザインにより間接視界も向上した。
デイキャブ、エクステンドデイキャブ、スリーパーキャブの全てで、ステップやドア開口部などアクセスを向上したほか、シートの仕上げなどは大型車と共通で、ドライバーが好みに合わせて設定することもできる12インチディスプレイには車両関係の情報が集約されている。
コンパクトながらも余裕のあるキャブデザインは操作性に優れ、小回りが利く。これは人口密度の高い都市部で働く中型トラックにとっては重要なことだ。
XBはオンロード向けのトラックだが、建設業界などに需要があるよりタフなオフロード環境に向けて「XBC」シリーズも用意している。XBCの19トンシャシーは、255mmのグラウンドクリアランスと、より広い25度のアプローチアングルを持つほか、エンジンベイを保護するためにスチール製のラジエタープレートとバンパーを備える。
【画像ギャラリー】DAFの新世代中型トラック「XB」を画像でチェック!!(11枚)画像ギャラリー