いすゞ・エルフEV
エルフ60年の歴史で、初めて量産モデルとして加わったバッテリーEVライン。こちらはカーボンニュートラル時代の新しい小型トラックとして展開する。展示車はハイキャブ(キャブ幅1770mm)のバンボディ車である。
EVision(イービジョン)・サイクル・コンセプト(初公開)
エルフEVの高電圧バッテリーを交換式とし、そのバッテリー交換のステーションも提供するという、新たなソリューションのコンセプトである。
高電圧バッテリー本体は、エルフEVと同じ容量20kWhのリチウムイオン電池だが、シャシーから脱着可能なマウント構造とし、交換ステーションでの自動交換あるいは移動パレットによる人力交換を可能とする。ただ、あくまでコンセプトであり、展示されたいすゞ内製のステーションがそのまま商品化されるわけではないが、EVの日常的なダウンタイムを解消する取り組みは続けていくという。
また、交換に対応するエルフEVも、センターバッテリー(フレーム内にマウントするバッテリーのこと)がなく、現時点では設定のない仕様である。
いすゞ・エルガEV
世界初公開の大型EV路線バス。高電圧バッテリーをルーフとリアに搭載、ZFの低床バス用逆ポータル型ハブモーター式eアクスルの採用で、客席フロアを全面ノンステップ・フルフラット構造とした。
一方、運転操作性は「ディーゼル車と違和感がない」ものとし、都市内EVトラックで導入されているようなワンペダルオペレーションも、いまのところ実装する予定はないという。
スペックは未公表だったが、2024年度内の発売を目指しており、いくつかの車型バリエーションも展開する予定である。
UDトラックス・クオンGW・530馬力エアサス・セミトラクタ
いすゞ・UD共同開発プロジェクト第1弾。GWは、3軸6×4駆動のセミトラクタ・モデルで、530PSの12.8リッターエンジン・GH13型をはじめ、12段機械式自動変速機・ESCOT-VII(7)、大容量流体式リターダ、電動アシスト油圧パワーステアリング・UDアクティブステアリング、総輪ディスクブレーキなどを搭載し、運転操作性が大幅に向上している。
GWは、クオン・シリーズでは旗艦モデルに位置付けられ、上述の機能のほか、居住性やデザイン・装備などで高い付加価値も与えている。そして、いすゞではギガ・セミトラクタのフルモデルチェンジ車として、クオン・セミトラクタのいすゞ仕様を新たに起用しているのだが、こちらは出品されておらず、残念ではある。
UDトラックス・クエスターGWE
新興国向けに開発された「クエスター」の最新モデルで、こちらも3軸6×4駆動セミトラクタの「GWE」という車型である。クエスターは10年前に発売されたモデルで、当時はユーロII(2)またはIII(3)仕様だった。出品車はユーロV(5)仕様で、排ガス後処理に尿素SCRを採用している。
自動運転技術実証車・Fujin(風神)
いすゞグループが取り組んでいる大型車技術開発の一例。Fujinは、UDがクオンをベースに開発中の、SAE自動運転レベル4に相当する大型トラック試験車で、工場構内の物流などで、自動運転の実証運行を行っている。
【画像ギャラリー】ジャパンモビリティショー2023・いすゞとUDトラックスの出品車(8枚)画像ギャラリー