自動運転の安全性を最大化する
オーロラはまた、自動運転のフォールバック・システムでもコンチネンタルの世界クラスのエンジニアリング・チームと提携しており、それも2027年から製造を開始する予定だ。
有人の自動運転では、システムに問題が発生した場合、人間のドライバーがバックアップに入ることができる。しかし人間が搭乗しない無人運転では、コンポーネントやセンサーの不具合などのレアケースに備えて、バックアップシステムを組み込む必要がある。
従って無人トラックを安全に運行するには、自動運転システムを冗長化するフォールバック系統が求められる。フォールバックはプライマリ(メイン)システムに障害が発生した場合に操作を引き継ぐセカンダリコンピューターで、オーロラは両方の開発を同時に進めるデュアル・エンジニアリングというアプローチを採用している。
これによりプライマリとセカンダリの両システムが同時に障害にさらされるリスクを軽減する。
オーロラの共同創業者でCEOのクリス・アームソン氏は次のように話している。
「開発を始めた当初から、安全に、かつ商業規模でこの技術を市場投入するには、パートナーと共同で強力なエコシステムを構築する必要があることはわかっていました。ハードウェア設計を最終決定できたことは、オーロラ・ドライバーの経済性を魅力的にするとともに、長期的なビジネスを構築するための有意義な一歩です」。
両社は全米に数千台規模の無人トラックを展開するという目標を実現するため、以下の通り4年間のパートナーシップでロードマップを共有している。
●2023年(ブループリントと設計):オーロラとコンチネンタルは、オーロラ・ドライバーと高性能フォールバックシステムにおいて、システムアーキテクチャの詳細、要件、技術仕様の決定に向けて連携する(このフェーズは既に完了)。
●2024~2025年(ビルド&テスト):アーキテクチャを決定する。コンチネンタルがハードウェアの最初のバージョンを試作し、米国テキサス州の施設とグローバルな製造拠点で試験を行なう。
●2026~2027(製造開始と車両へのインテグレーション):自動運転システム&ハードウェアは車両に搭載する前にコンチネンタルが自社施設で検証する。システムはセンサー、制御ユニット、コンピューター、通信ユニットなど、同社の幅広い製品を活用する。ハードウェアはオーロラのトラック製造パートナーに出荷され、車両に組み込まれる。サービス・メンテナンスネットワークを両社が共同で構築する。
●2027年以降(大規模展開):オーロラ・ドライバーを搭載するトラックを全米で数千台規模で展開し、無人トラックによる輸送網の構築に備える。
ちなみにオーロラの製造パートナーとなるトラックメーカーとしては、ボルボとパッカーの名前が挙がっており、プレスリリースなどでもパッカーグループに属するピータービルト「579」トラックを使っている。
フォン・ヒルシュハイト氏によると、世界のティア1サプライヤの中で、大型トラック用の自動運転キットを量産化するというコミットメントを掲げているのは、コンチネンタルだけだという。
【画像ギャラリー】トラックドライバーに代わって荷物を運ぶオーロラの自動運転トラックを画像でチェック!(11枚)画像ギャラリー