またまた発生した降雪による首都圏の交通マヒだが、大雪による立ち往生等を防ごうとさまざまな対策が取られつつある。
これもその一つになるが、国土交通省から全日本トラック協会や各県トラック協会に「降積雪期における道路管理者による立ち往生車両写真の撮影等について」との事務連絡がなされた。
降雪対策を怠ると、ヤバい写真、撮られちゃいますよ!
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/国土交通省・フルロード編集部
2021年の大雪による立ち往生がきっかけ
3年前の2021年1月7日から9日頃にかけて日本列島は大雪に見舞われ、各地で立ち往生が発生し、大きな問題になった。
特にライフラインをつかさどるトラックは、簡単に運行を止めることもできず、乗用車に比べ雪道での性能は確実に劣るし、一旦スタックすると回避させる術がごく限られてしまうため、立ち往生の主因になってしまうことがほとんどである。
これを受けて2021年9月30日、国土交通省は自動車局安全政策課長名で全日本トラック協会に事務連絡を行なった。
「降積雪期における道路管理者による立ち往生車両写真の撮影等について」と題された連絡事項は、
「令和2年末から令和3年初にかけて、高速道路などにおいて大規模車両滞留が発生したことを踏まえ、降積雪期において、道路管理者が立ち往生車両の情報を適切に把握するため、冬用タイヤ装着の有無等の状況を写真撮影することとし、当該情報をもとに地方運輸局等が当該車両を所有する運送事業者に降積雪期における輸送の安全確保対策の実施状況を確認することにしたので、事業者に周知願います」というもの。
狙いは降積雪期における輸送の安全確保対策の実施状況の把握
立ち往生車両の写真撮影は、
1.前面ナンバープレートの写真。トレーラをけん引している場合はトレーラのナンバープレートも。
2.前方から当該車両も含めて後方の滞留状況を写した写真。
3.駆動輪のタイヤ側面(可能な限り大きく)。
4.駆動輪のタイヤトレッド面(可能な限り大きく)。
5.後方から当該車両も含めて前方の状況を写した写真
となっている。
ご存知のように、路交通法等により積雪または凍結で滑る恐れのある道路を通行するときは、冬用タイヤやタイヤチェーン等を装着することが義務づけられており、違反すると罰則の対象となる。
しかし、罰則や写真撮影より何より、一番肝心なのは事前に降雪等の情報を把握し、大雪等にハマらない運行を期すことだ。そのためには運送事業者が荷主の事前の了解を取り付けるなど、危機管理を徹底する必要がある。
現場の判断に任せっきりでは、バカをみるのはトラックドライバーである。
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