まだまだ男社会であるトラックドライバーの生々しい生態を女子の目線で鋭くレポートしていただきたい……、そんな編集部の要望に応えてくれたのが、ナニワの海コンお姉さんことゆでさんだった。
「ゆで」はUDトラックスの「UD」に由来し、日夜UDのトラクタで海コンをけん引するゆでさんは、シャイでおしとやかな本来の性格を隠し(ホントか?)、同じ海コン仲間の男性ドライバーと、時には丁々発止と渡り合い、時には和気あいあいと語り合う、今では立派な海コンドライバー。そんなゆでさんにも人知れず嘆かざるを得ない女子の気苦労がありました。
文/海コンドライバーゆでさん、写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2013年2月発行「フルロード」第8号より
男社会の中でいろいろ経験してきました
はい! ナニワの海コンお姉さん「ゆで」でございます。運輸業界にデビューして早28年(オイ! 年の計算してんじゃねーぞ!!)けっこういろんな経験をさせて頂きました。
乗り始めた頃の運輸業界って男一色の世界でして、今でも99パーセントは男性ばかり。そんな中で揉まれたゆでさんの、人生イロイロ~♪ 男もイロイロ~♪ な話を書かせてもらいます! バイブルにしちゃってもいいのよ~♪
時には泣かされた話とか泣かされた話とか……。「泣かされた」のキーワードで心当たりのあるドライバー男子は、正座して読むこと!(笑)。あら……、なんか学級委員になったみたいでイイ感じだわ~♪
今回は男性向けに【女子はこんなことで気苦労してんだぞ!】をお贈りいたします。
「女は引っ込んどけ!」男と「デリカシーゼロ」人間の狭間で
同じように仕事して、男性と対等に見てもらえるのは女子にとってはホントに嬉しいこと。それにプラス「今日の仕事キツかったやろー、よう頑張ったなぁ」なんて言葉が聞けたりすると、自分の存在が認められたようでホント嬉しいです。心底「明日もガンバロ!」って思えるんですよね。
今では対等が当たり前になってきていますが、私がデビューしたての頃は「女は引っ込んどけ!」って男性がイッパイでした。時には「女は邪魔になるからもう来るな!」って言われて悔し涙を流すこともしょっちゅう。
今はそんなコトを言う人はいないって信じたいんだけど、中には今でもそう思ってる人いるんじゃないの?
「俺は男だ! 女は黙ってろ」って威張ってる人もいれば、その傍ら……、まったく逆のパターンの男性もいたりするのも確か。で、泣かされるのはどっちかっつうと、この逆パターンな方々。ホンット自然体とでもいいましょうか、ナイス無神経!
男性と同様に接してくれる同業さんは私にはありがた~い存在の人。でもさ……、こういう男性の8割はデリカシーゼロ。中にはマイナスって野郎もいたりする。
「立ちション」はおひかえあそばせ
例えば立ちション。積み込み待ちで並んでいたら、前の運転手さんがヘッドから降りてきて、おもむろに立ちションを始めちゃったわけですよ。いくら横向いているとはいえ、見えるもんは見える!
私も「見てはいけない」って思うから、顔をどっちに向けていいんだか焦る! あわてて携帯の画面を見てるふりだったり、シートを倒して寝たふりや死んだふりをするのは日常茶飯事(涙)。
その話を飲み会や待ち時間なんかでネタにしたら「ジーっと見といて、目が合ったらクスって笑ったれ」とか「虫メガネ持ってのぞいたれ」と、ネタにのしが付いてドンドン盛り上がる激励(涙)。私を変態にしたいんでしょうか……。
このネタをふってスグに後悔したよ……。だって話している相手全員の立ちションを見たことあるもん。言わなかったけどさ。
とある人は、時間待ちで談笑している時に私の真横で立ちションを始めちゃいました。皆との話の最中にクルっと回転したので「ん?」って思っていたんだけど、そのしぐさで何をやらかしてるのかは想像がついた。
背中越しに「な……、Tさん。もしかして立ちションしてるん?」と聞いたら、「お~。」とまるで当たり前のように答えた。男女の区別なく同様に見てもらえるのはホント嬉しいんだけど、そこはチョット気を使え!