スタッドレスタイヤの泣きどころ
スタッドレスタイヤは積雪や凍結路での性能を重視しておりますので、夏タイヤに比べると多少燃費が悪く、偏摩耗も出やすく摩耗ライフが短めです。
氷の上で滑るのは、タイヤと路面との間にできるミクロの水膜が影響してタイヤが路面に喰いつけないせいですが、スタッドレスタイヤのゴムやトレッドパターンは、氷上性能を上げるためにタイヤと路面の間にできる水膜を除去する特性があります。
ゴム本体で水を吸い上げるのは、トレッドゴムに老眼では絶対に見えないような細かい気泡の穴が空いていて、ゴムが水を吸い上げ、路面と密着させ氷上性能を確保する仕組みになります。
また、トレッドパターンによる水膜除去は、トレッドパターンに細い「サイプ」と呼ばれる切れ込みがあり、毛細管現象を利用して水膜除去する仕組みです。
夏タイヤにはない、こうしたスタッドレスタイヤの「水を含む」性能が仇となってしまうのが雨天時のウエット路面です。
スタッドレスタイヤにも排水のための溝がありますので、ウエット路面では問題なさそうですが、タイヤが水を含む感じになり、夏タイヤに比べウエット性能が落ちる傾向にあるんですね。
近年は低燃費とライフを両立させるトレッドゴムの採用でタイヤは着々と進化しています。将来的に行き着くところは、夏タイヤとスタッドレスタイヤの「いいとこ取り」のタイヤが登場するかもしれませんが、それまでは各々の長所を活かし上手に使い分けましょう
【画像ギャラリー】オールシーズン/スタッドレスタイヤの違い(模式図)(6枚)画像ギャラリー