電動トラック・バス用高電圧バッテリーを共通化! 日野が開発を進める「標準電池パック」が目指すものとは?

電動トラック・バス用高電圧バッテリーを共通化! 日野が開発を進める「標準電池パック」が目指すものとは?

パックのコンセプトは乾電池

標準電池パックの搭載数イメージと搭載レイアウト。小型トラックは1基または2基、中型トラックは4基、大型トラックは6基、大型観光バスは4基を想定(日野資料)
標準電池パックの搭載数イメージと搭載レイアウト。小型トラックは1基または2基、中型トラックは4基、大型トラックは6基、大型観光バスは4基を想定(日野資料)

 伊藤POは「このパックのサイズ、強度要件、インターフェースの考え方は、乾電池と同じです」とコンセプトを説明する。例えば、1.5ボルト単三形乾電池は、電圧とインターフェースはそのままに中身を進化させながら、何十年も前から幅広く使われてきた。

 標準電池パックは、自動車用としては使用済みになっても、定置式蓄電施設などで2次利用することが考えられているが、クラスや用途が違う様々なトラック・バスに搭載された(将来的には大量の)高電圧バッテリーを、インターフェースが1種類の施設で再利用できることになる。容易なリユース性・リデュース性は、蓄電施設以外での2次利用需要も生むかもしれない。

小型トラック用シャシーフレームに吊り下げて展示

標準電池パックのイメージモデル
標準電池パックのイメージモデル

 人テク展に展示されたイメージモデルは、小型トラックのフレームシャシー(カットモデル)に吊下マウントするかたちで横置きしたもの。

 小型トラックでこのスタイルだと、必然的にeアクスル(モーター一体型アクスル)の装着が前提となるが、パック1基ならシャシー左右側面のパック占有部分は過大にならず、架装や艤装品のスペースを確保できるようにみえる。パック1基でも容量70kWhなので、比較的長い航続距離も得られるだろう。

 ただ、高さ300mmの標準電池パックは、最新の小型BEVトラック「デュトロZ EV」には搭載できないサイズでもある。そのため、超低床BEV専用の薄型電池パックを並行して展開していくという。

 また、通常の積載量2t小型トラックでも、床面地上高を低く設定しにくいことから、配送車のシャシーとして用いられる全低床車型や超低床車型については、新開発シャシーを展開する可能性もあるようだ。

 なお、RE-BEVプラットフォーム構想では、ディーゼル、水素、カーボンニュートラル燃料などを燃焼する発電専用エンジンをBEVと組み合わせたシリーズ式プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCEV、燃料電池により水素から電気を取り出すEV)、純BEVを展開する計画で、いずれも走行には電気モーターのみを用いる形態とする。FCEVはやや異なるものの、電池の出力密度、エネルギー密度に対する要件は近いとみられる。

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