燃料電池トラックに自動運転機能!? 現代自動車が「水素」による持続可能な物流を推進!

水素の可能性は商用車だけではない

燃料電池トラックに自動運転機能!? 現代自動車が「水素」による持続可能な物流を推進!
米国のACTエキスポではエクシェントFCや燃料電池システムが公開されたほか、「HTWO」ブランドの強化が発表された

 ACTエキスポにおいて現代自動車は、エクシェントFCだけでなく、水素バリューチェーン技術全体の進捗を印象付けた。

 現代自動車は数年前に燃料電池ブランドの「HTWO」を立ち上げているが、2024年初めに世界的なエネルギー移行を推進するため、その役割を水素バリューチェーン全体に拡大すると発表していた。つまり水素の製造に始まり、貯蔵、輸送、応用、消費など、いかに業界横断的に水素を活用するかということだ。

 プレスカンファレンスでは、同社副社長でグローバル商用車&水素ビジネスを担当するケン・ラミレス氏が、水素社会構築に向けたコミットメントを強調し次のように述べている。

 「弊社のHTWOブランドの役割拡大は、現代グループがモビリティを超えて世界的な水素のバリューチェーンに事業を拡大するということを意味しています。モビリティに深く根差したエネルギー企業は私たちの他にありませんし、エネルギーの変革にこれほどまでに取り組んでいるモビリティ企業も、私たちのほかにはありません。

 その目標は常に明確です。すなわち、エネルギーとモビリティという二つのセクターにおける私たちの強みを活かし、水素社会を実現するということです」。

 また、米国ジョージア州のヒョンデ・モーター・グループ・メタプラント・アメリカ(HMGMA)において製造施設の脱炭素化のために、今年から社内輸送にエクシェントFCが導入され、輸送パートナーのグロービス・アメリカと共同で「HTWOロジスティクス」を設立したことなども発表された。

 次世代のエネルギーキャリアとされる水素は、特に商用車に適した特徴を多く持っている。エネルギー密度が高く(水素は比重が小さいため軽い。ただし気体の場合、容積は大きい)、バッテリーEVでは難しい長距離輸送や重量物輸送などの用途に活用されるだろう。他に発電機や産業機械、電解装置などへの応用も期待されている。

 現代自動車は世界的な自動車メーカーの中でも最も積極的に水素にコミットしているメーカーの一つとなっている。

 バリューチェーンの上流に当たる製造段階では、韓国忠州市のプロジェクトで有機廃棄物から水素を作り出す方法を開発したのも同グループだ。プロジェクトで製造した水素は水素充填ステーションに供給され、水素自動車のエネルギーとなる。同じく韓国内では下水から水素を製造する施設が今年中に稼働を開始する予定だという。

 このように水素の製造から消費まで、水素のバリューチェーン全体に渡るビジネスモデルを持っていることが、現代グループの強みとなっている。

【画像ギャラリー】現代自動車の自動運転FCEVトラック(11枚)画像ギャラリー

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