重量物輸送も燃料電池に?
いっぽう、イギリス初の燃料電池トラックメーカーであるハイドロジェン・ビークル・システムズ(HVS)は2024年6月6日、運送会社のエクスプロア・プラント&トランスポート・ソリューションズに30台の燃料電池トラクタを供給するパートナーシップで合意したと発表した。
この合意のもと、エクスプロアはイギリス国内で最新の燃料電池トラクタを運行する。サービス&メンテナンスは車両に付属し、安全な水素の扱い方や充填方法などの教育・ドライバートレーニング、運行に必要な水素インフラなども提供されるという。
2015年に設立されたエクスプロア社は、航空機から原子炉まであらゆるモノを運ぶ重量物・特殊輸送の専門企業だ。
HVSのチーフ・コマーシャル・オフィサーを務めるジョン・マクリースター氏は次のようにコメントしている。
「今回の合意は両者が共有するビジョンの試金石となります。弊社の革新的なゼロ・エミッション燃料電池技術は、重量物輸送や長距離輸送、給油時間の短縮が必要な輸送の脱炭素を可能にします。ロジスティクスの持続可能性を先導できることを楽しみにしています」。
HVSは大型商用車業界を革新することを目指し、燃料電池パワートレーンをゼロから開発している。効率やパフォーマンスなどの観点からBEVには不可能な重量物輸送や長距離輸送の脱炭素を実現し、環境負荷を低減するためだ。
化石燃料への依存から脱却する上で大型商用車の本命技術とされる燃料電池だが、欧米のメーカーは長距離輸送や重量物輸送などBEVが苦手とする分野から実用化を目指しているようだ。
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