クラストップの動力性能と燃費性能
6D26エンジンは、排気量6.7リッターの直列6気筒インタークーラーターボ付エンジンで、カミンズでは「B6.7」と呼ばれるエンジンのバーラトベンツ向けモデルとなります。エンジン自体は、マハラシュトラ州プネーにあるカミンズ・インディアの生産拠点から調達しています。
動力性能には2種あり、最高出力306hp/2300rpm・最大トルク1200Nm/1200-1500rpmのタイプと、同じく250hp/2300rpm・950Nm/1000-1800rpmのタイプが設定されています。バーラトベンツ車のエンジンは、もともとインド市場でクラストップの出力・トルクを持っていましたが、新型HDTは従来(280hpと240hp)に対してさらにアップしており、特にトルクは9~12%のアップとなるなど、その商品力が高められています。
また、燃費性能も向上しており、コモンレール高圧燃料噴射システムがもつ高度な噴射制御を積極的に活用した、「EFFI+パッケージ」「マルチドライブモード」という二つの省燃費機能が備わっています。EFFI+パッケージは、運転状況に応じたグリーンゾーン(回転数)設定、長時間アイドリング自動停止機能、急加速抑制機能、駐車時は排ガス後処理装置の再生を抑制する機能が含まれ、マルチドライブモードは、運転条件に応じてエコモードとパワーモードを手動選択できるものです。
さらに、従来は排気ブレーキ1段しかなかったのですが、6D26では圧縮圧解放ブレーキ(強力なエンジンブレーキを得るための装置)を新たに装備して、制動効率を28%も高めたとしています。
インド国産の民生用大型トラックは、車両総重量が40トンを超えるトラックやトラクタでも6~8リッターという小排気量エンジンを使うので、そもそも排気ブレーキの制動力は限られているのですが、新型エンジンは6.7リッターと排気量が400cc減少しているため、圧縮圧解放ブレーキを採用することで補助制動パワーの維持と強化を図ったものと考えられます。