今回、水野さんに評価していただく2台は、ミニバンの頂点を極めるトヨタ アルファード(左)と、オフロードミニバンという唯一無二の個性を持つ三菱 デリカD:5(右)だ
特にアルファードはユーザーニーズを的確にとらえた商品企画が際立っていると水野さん
デリカD:5は最低地上高185mmと高く、タイヤもオールテレーン系を装着。2007年デビューで基本設計は古いものの、各部の熟成により乗り心地に優れ、室内騒音もよく抑えられている
スライドドアを開けると連動して出てくるアルファードのステップに水野さんは高評価。これで圧倒的に乗降性がよくなる。お年寄りや小さい子供は嬉しい装備だ
アルファードのセカンドシートはゆったりとした着座感だが、表皮が滑り、身体を支えてくれないのは要改善だ
サードシートは座面前後長が長く、背もたれもしっかりしているが、やや硬い印象
幅の広いセンターコンソールが備わるアルファードの前席。メーターは文字が小さく読みにくいとの評価
ミニバンは車体後部の開口部が大きいため、車体剛性では不利。そのためテールゲートをしっかりと嵌合させる技術が重要になるのだ
インパネ部にシフトノブを含めた操作系を集中配置するデリカD:5。やや古さを感じるが機能的だ
3列目座席の足元空間や頭上空間は余裕たっぷりのデリカD:5。座面はクッションがやや薄く硬い
キャスター角度が小さい、古い設計基準のサスジオメトリーだが、操安性のセットアップは上手だ
アルファードもデリカD:5も重たい車体で重心も高いのに、山道を安心して走れる操安性だ
トヨタ アルファードに、水野さんは90点をつけた
全長4995mm、全幅1850mmというのはアルファードが絶対に譲れなかったサイズの制限。特に全長5mを切ることが駐車場の制約上重要なことなのだ
操安性は高く、足の動きも滑らかで乗り心地も上々。前後のバランスがよく安定感がある
直4、2.5Lハイブリッドの出力特性は熟成されているが、アクセルを踏み込んだ時に室内にエンジンのメカノイズが入ってくるのはラグジュアリーミニバンとしてはマイナスポイント
三菱 デリカD:5に、水野さんは89点をつけた
プラットフォームの基本設計には古さを感じるが、それをカバーして上手な操安性を作り上げている
悪路に強い3列シートミニバンというコンセプトは唯一無二。トルクがしっかりと出ていてドライバビリティの高さを感じる。不快な振動や騒音は感じない
エンジンは直4、2.2Lのディーゼルターボ。8速ATを組み合わせることで重量級ボディをしっかりと走らせる。4WDのみの設定だ