ジャパンモビリティショーに出展されたコンセプトモデル「ランドクルーザーSe」。まだコンセプトモデルだというのに賛否両論の意見が吹き乱れている。このクルマ、実はモノコックボディという設定があるのだ。なぜトヨタはランクルの方程式に外れたことをするのだろうか?
文/写真:ベストカーWeb編集部
■「否定的な意見があるのは分かっている」
ランドクルーザーSe。出展が発表されたときに多くのクルマ好きが注目したのが「モノコック」という文字。従来ランドクルーザーはフレームを採用してきた。屈強なシャシーで常に最大の駆動力を発揮できるため、そしていざという時の堅牢性を維持するためだ。
しかしランドクルーザーSeはモノコックを採用すると明言した。もちろんSNS上では否定的な意見が飛び乱れている。ジャパンモビリティショーの会場でコンセプトモデルを担当するトヨタ自動車の高橋司氏に話を聞いた。
「もちろんモノコックというワードを使うことでいろいろなご意見が出ることは予測しております。我々もコンセプトモデルにランドクルーザーという車名を使うに際し、フレームではなくモノコックを採用すると明言するのは勇気が必要なことでした」。
トヨタにとっても歴史を誇る大切な車種の1台でもあるランドクルーザー。柔軟な発想が必要とは言ってもこの決断を下すのには相当な勇気が必要だ。
■ランクルファミリーがあるからこその挑戦
それならばなぜ、ランクルにモノコックを採用すると明言したのか。ランクルにはフレームの70、250、そして300がいる。だからこそモノコックがあってもいいじゃないですか、という提案なのだろうか。
「まさにおっしゃる通りです。このコンセプトモデルをもってして、フレームが不要だとか、フレームのランクルをやめてしまおうという意図はありません。屈強なランクルなら70、ラグジュアリーなら300など多様性をもって提案できるのです。だからこそのモノコックという提案でした」と前出の高橋氏。
たしかに街中を見ればオフロードに行かないランクルは多い。いわゆる都市型のユーザーも多くいるランクルだから、モノコックモデルがあってもいいのではと感じる。
批判的なコメントのなかには「オフロードに行ってシャシーが負けたらどうする」とか、「山奥で充電できない」とか言うものもあるけど、それはクルマ選びが誤っていると思う。
ランクルSeは当然ながらまだ発売されるかは分からない。ただプレスリリースにモノコックを謳ったこと、そして完成されているデザインを考えてもまったくの空想モデルではないはず。インタビューの最後に高橋氏はこう加えた。
「ちなみにラダーフレームでEVが無理ということはありませんよ。そしてランドクルーザーと名乗る以上は壊れてでも安全なところまでは戻ってくる、その哲学を捨てるつもりはありません」。
うーん、意味深だぜ!! 歴史を守りつつ変革を遂げるランクルシリーズの今後が楽しみ!!
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