ホンダがジャパンモビリティショーに出展したサスティナCコンセプトとポケットコンセプトは、1980年代に大ヒットした初代シティとモトコンポのコンビが復活かと期待を抱かせる展示。はたして実際に販売されるのか?
文/ベストカーWeb編集部、写真/池ノ平昌信、ベストカーWeb編集部、ホンダ
■「シティ! ホンダ、ホンダ、ホンダ」というCMが懐かしい!
1981年11月、ホンダ自らトールボーイと呼ぶ背の高いコンパクトカー、初代シティが誕生した。読者のなかには、「シティ! ホンダ、ホンダ、ホンダ!」というナレーションとともに、6人の男性がムカデダンスをしばら行進するCMを覚えている人も多いだろう。
そして、シティと同時に発売されたモトコンポは、シティのトランクにすっぽり収まるサイズの50ccバイクでシティ搭載用として同時開発されたもの。「トランクバイク」というこれまでにない新しいコンセプトが大きな話題になった。
この6輪生活というコンセプトの話題性とCM効果もあってか、初代シティは1981年11月の発売以来、約2年間で15万台を販売、ピーク時には月販1万6000台を記録した。
現在、資源を使いすぎずに地球を壊すことなく豊かな環境を持続させ、2050年までにカーボンニュートラル実現に向かって突き進んでいる。
そんな時代において、初代シティとモトコンポのDNAを継承し、回収した使用済みアクリル樹脂を再利用し、カーボンニュートラル実現のために生まれたのがこのサスティナCコンセプトとポケットコンセプトだ。
具体的にはボディの外板に再生したアクリル樹脂を使った点がポイント。アクリル樹脂はスチールの外板に高温で焼き付け塗装をする通常の塗装に比べてC02の排出を大幅に削減することでき、割れにくく変形しても元に戻る特性をもっているという。
■現行フィットの開発責任者が陣頭指揮にあたった
開発を陣頭指揮した本田技術研究所・先進技術研究所・次世代電動車研究・シニアチーフエンジニアの田中健樹さん(現行フィットの開発責任者!)に話を聞いた。
「自動車の生産する際、自動車の塗装はオーブンでスチールに高温焼付塗装しており、CO2排出の約80%が塗装関連から出ています。この焼付塗装をしなければカーボンニュートラル実現に貢献できるのではと考え開発をスタートさせました。
サスティナCの台形フォルムやボンネット形状、樹脂バンパーなどはもちろん初代シティのデザインをオマージュしたものです。ボディの赤い部分が再生アクリル樹脂になっていて、ボンネットのブルーの部分はソーラーパネルになっています。
通常の塗装ではなく、100%再生可能なアクリル樹脂の材料そのものに色を付けています(原着色)。塗装自体も簡単で、ソリッドやメタリックだけでなく、ラメやグラデーションも可能です。強度に関しては特殊な加工を施して割れにくくしています。
サスティナCのリアウインドウを見てください。スクリーンテールゲートと呼んでいるのですが、リアウインドウ下部は半透明にしていて、ウインドウ内側にモニターを装着してウィンカーやストップランプのほか、後続車や歩行者にメッセージを送ったり、バッテリーの充電残量を表示するなどさまざまな提案をしています」。
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