伝説のクルママンガ『頭文字D』の意思を現代に受け継ぐ次世代のクルママンガ、『MFゴースト』。2017年の連載開始時から圧倒的な読者人気を獲得しており、12巻発売時点の現在で、ついに単行本累計発行部数320万部を突破した。
同作品に登場したクルマたちの世界観と魅力を読み解いていく本連載。第9回となる今回は、第1回に続いてポルシェから、718ケイマンを紹介する。若くして王者の風格を持つベッケンバウアーがこのモデルを選んだ理由とは!?
文/安藤修也
マンガ/しげの秀一
■「911」との関係、「718」の由来とは?
「ポルシェ」というブランドは、フォルクスワーゲンの開発者であったフェルディナント・ポルシェ博士とその息子が生み出し、創業した。ポルシェ356から続くスポーツモデルの血脈をしっかり受け継いでおり、「ポルシェの歴史はスポーツカーの歴史」と言っても過言ではないほどで、現代においてその代名詞となっているのが「911」であることは言うまでもない。
一方、ポルシェ内においては亜流とも言えるのが、1996年に登場した「ボクスター」の系譜である。このボクスターは本格的な走行性能を備えた軽量オープンスポーツで、またたく間に人気となったヒットモデルだが、2代目の時代に派生車として誕生したのが、ルーフを備え付けたクーペ版ボクスターとなる「ケイマン」だ。
ただし、この「ボクスター/ケイマン」シリーズには、エンジンをボディの中央に近い位置に搭載するミッドシップレイアウトが採用されており、扱いやすいボディサイズで、しかも2シーターモデルとなっている。ある意味、2+2シートの911より走ることに特化した設計となっており、スポーツカーとしての素性は911より優れていると言う人さえ存在する。
コンパクトスポーツのベンチマーク的存在として、すでに15年以上、3代に渡って販売されてきたケイマンだが、2016年に登場した現行型、つまり3代目モデルでは車名に「718」が付けられ、「718ケイマン」となった。この数字は、19 50~1960年代に活躍した同ブランドのレジェンドレーシングカーの名称にちなんでいるという。
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