クルマの購入時にローンを使いやすくなった昨今。しかし、ローン支払いの途中で、クルマが不慮の事故により全損したら、ローンの支払いはどうなるのだろうか。万が一のことではあるが、知っておくべきローンと事故の話をしていこう。
文:佐々木 亘/写真:ベストカー編集部
■ローンを組んだのはディーラー?? それとも銀行?? 対応が変わる借入先とは??
まずは自動車ディーラーでローンを組んだ場合の、事故後の流れを確認していく。
ディーラーのクレジットを使った場合、所有権留保の状態であることが多い。すなわちクルマはローンの担保に取られているということ。事故により担保が価値を持たなくなってしまえば、ローンの継続は難しい。
さらにクルマを廃車にする場合には、ディーラーやローン会社に所有権解除をしてもらわなければならない。基本的には、即時の完済か、借り換えをして、ディーラークレジットを全額返済し、所有権解除を行ってクルマを廃車(永久抹消)する。
対して銀行のマイカーローンを使用している場合、クルマがローンの担保に取られていることは少ない。
車検証上の所有権は既にユーザーにあり、廃車手続きも自分の意志で行える。事故後でも、クルマは無いが、ローンの返済はそのまま続けることが可能だ。即時完済や借り換えを求められえるケースは少ない。
どちらのケースでも言えるのは、不慮の事故で愛車が大破しても、ローンが無くなることは無いということ。自動車ローンを組む際には、万が一の事故に対応できる準備をしておかなければならないのだ。
■ローンを組んだら必ず入ろう「車両保険」と「新車特約」
ローンを抱えたままクルマに乗るということは、常に担保価値を減らしながら、担保価値をゼロにするリスクを抱えているということだ。
愛車が手元に来ると、こうしたリスクを忘れがちになるが、ローンとうまく付き合っていくためには、最悪の想定をしておかなければならない。
こうしたリスクに対応するのが、保険の役割。車両保険を加えた任意保険の保険料は高額になるが、自動車ローンの支払いが残っている間は、車両保険契約を必ず結んでおくべきだ。
ローンを組んだ後に事故が起き、借金だけが残るというユーザーを筆者は数多く見てきた。その顛末は過酷を極める。
さらに、高額な新車を購入した際には、車両保険の新車特約(新価特約とも言う)を付帯しておくといい。
事故で車両価値の半分以上の損害が生まれた場合、契約期間内ならそっくりそのまま新車が戻ってくる。(諸費用等は別に請求されるケースが多い。)
ローンと車両保険は必ずセットで考えること。月々のローン支払い額も自動車保険料の負担を計算に入れた上で、決めていくことが望ましい。
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