かつてはW12を搭載し、豪奢な猛獣として名を馳せたベントレーのSUV「ベンテイガ」。その系譜に、かつてない衝撃が走った。なんと、ベンテイガ史上もっともパワフルでダイナミックな存在である新型ベンテイガ スピードを発表!! 一見、これまでの延長線上に思えるこのモデル。しかし、実際はただの後継では済まされないスペックだった!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:BENTLEY
【画像ギャラリー】ブラック&グリーンの内装エモ!! ベンテイガスピードは何もかもがスペシャルすぎるから隅々まで見て!!(19枚)画像ギャラリーW12を超えた!ベントレーが放つ、究極の黒い獣
新型ベンテイガ スピードの心臓部には、完全新設計となる4L V8ツインターボエンジンが搭載された。従来のベンテイガV8 S(0-100km/h加速 4.4秒)を軽く凌ぎ、さらには先代スピードのW12モデル(3.9秒)までも超える“怪物級”の進化っぷりである。
最大トルクは850N・m、しかも2250〜4500rpmという広いレンジで叩き出される。これは、ただ速いだけじゃない。どこから踏んでも怒涛のトルクが押し寄せるタイプの、ある種中毒性のある加速だ。
その加速をさらにドラマチックに演出するのが、標準装備されたスポーツエキゾーストシステム。
耳に飛び込んでくるのは、V8特有の重厚な咆哮。そしてオプションで選べるアクラポビッチ製チタンエキゾーストでは、まるでサーキットに迷い込んだかのような攻撃的なサウンドが響き渡る。
スリップアングルも制御!?「スポーツモード」の意味が変わる
だが、このベンテイガ スピードの本質は、パワーだけにとどまらない。今回の注目は、シャシーと電子制御の圧倒的進化にある。
まず、スポーツモードにおいてESCのダイナミック設定が有効になり、スリップアングルの制御が可能に。これにより、コーナー立ち上がりでのオンスロットル・スライドという、スポーツカー顔負けの動きを体感できる。
従来のV8モデル比で15%硬くなったサスペンション、加えて全輪操舵の標準装備により、低速域では取り回しが格段に向上し、高速域ではまるで軌道上を走るかのような直進安定性を実現している。
さらに、オプションのカーボンセラミックブレーキを選べば、ローンチコントロールも利用可能となり、あらゆる局面でマシンとの一体感が高まる。SUVの限界は、もはやこのクルマには通用しない。
23インチホイールの迫力半端ねぇ!! 品のあるコクピットも注目!!
その走りにふさわしい、エクステリアの迫力も見逃せない。新設計の23インチ専用ホイール(ベントレー史上初)をはじめ、ダークティントのヘッドランプ、ブラック仕上げのルーフ、グレイッシュなテールランプなど、どの角度から見ても“ただものではない”ことが伝わる。
テールには「SPEED」のバッジが燦然と輝き、これが“フラッグシップ”であることを無言のうちに主張している。キャリパーの色すら7色から選べるなど、パーソナライズの余地も抜かりなし。
さらに、インテリアに足を踏み入れた瞬間、世界は静寂に包まれる。プレシジョン・ダイヤモンドキルトが織りなす陰影、ドアシルに輝くSpeedロゴ、そして専用ディスプレイがドライバーを迎え入れる。
一見スポーティ、だがどこまでもエレガント——この矛盾こそが、ベントレーというブランドの真髄なのだろう。助手席側のフェイシア、センターエアベントなど、細部の仕立てに一切の妥協はない。カラーコーディネートもただ派手なだけではなく、計算され尽くした美の演出だ。
ベンテイガスピードに敵うSUVはない!?
新型ベンテイガ スピードは、もはや単なるSUVではない。それはベントレーが作ったSUVという枠を超えた、走りを極めたラグジュアリーの化身だ。
ひとたびアクセルを踏み込めば、650頭の野獣が雄叫びを上げ、リアからは咆哮が響き渡る。だが同時に、その内側にはベントレーらしい静寂、快適性、気品が宿っている。こんなに獰猛で美しいクルマが、この世に何台あるのだろうか?
もしかしたら、SUVというカテゴリーそのものを定義し直す。それが、新型ベンテイガ スピードの使命なのかもしれない。
























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